ラボバンクは、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が7月8日の会合で25bpの利上げを実施し、政策金利を2.5%に引き上げると予想している。ブルームバーグ調査のコンセンサスと一致するものの、予測は割れている。同社は、ニュージーランド・シャドーボードからのシグナルがまちまちであること、原油価格の下落でインフレ圧力が和らいでいること、国内景気回復が脆弱であることを理由に挙げた。また、NZドルは上値の重い推移が続いており、G10通貨の1日騰落率ランキングでは下から2番目(円を上回る)に位置しているという。
原油は、今年のホルムズ海峡閉鎖を受けてインフレリスクとなっていた。ブレマン総裁は5月会合後、インフレ抑制のため年内に金利が引き上げられる見通しだと述べていた。しかし、6月17日に米国とイランの間で覚書(MOU)が署名されて以降、原油価格は戦争開始直前の水準まで下落している。市場の織り込みでは、今後1年でさらに25bpの利上げが約4回行われ、現行2.25%から約3.18%へ到達すると見込まれており、これはシャドーボードが示す3.0~3.25%のレンジと概ね整合的だ。ラボバンクはこのため、NZドルの上昇余地は限定的で、RBNZのトーン変化に敏感な形でNZD/USDは不安定な値動きになりやすいとみている。
NZDの上昇余地は限定、下振れリスク
ニュージーランド準備銀行が明日、25bpの利上げを実施すると見込まれるなか、この動きはすでに通貨価格に完全に織り込まれていると当社は判断する。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は現状、2027年半ばまでにターミナル金利が3.20%に達することを織り込んでおり、市場がRBNZのタカ派的な道筋に強くコミットしていることを示している。これはタカ派サプライズの余地がほとんどないことを意味し、NZドルのリスクは下方向に偏っていることを示唆する。
中銀が今後の積極的な引き締め路線に躊躇する可能性を示す兆候も見られ、通貨は脆弱になり得る。先週発表された四半期CPIは0.8%と予想を下回ったほか、直近のANZ企業信頼感調査は中立水準とされる50ポイントを割り込んでいる。これらの要因に加え、世界的な原油価格の下落が、過度にタカ派的なスタンスを取る必要性を低下させている。
取引戦略と過去の類似局面
これほどの金融引き締めがすでに織り込まれていることを踏まえると、発表前の戦略としてNZD/USDのプットオプションを買うのは妥当だと当社は考える。これは、RBNZのフォワードガイダンスが市場の高い期待を下回った場合の下落局面へのエクスポージャーを提供する。銀行がタカ派的トーンから後退するシグナルは、容易に売りを誘発し得る。
通貨がレンジ内にとどまるとみるトレーダーにとっては、ボラティリティを売る戦略に機会がある。NZD/USDが一定の価格レンジ内に収まれば利益となるアイアン・コンドル戦略は、上昇余地が限られ、下落も一定程度クッションされ得るという見方と整合的だ。このアプローチは、RBNZが予想通り利上げする一方で、将来の一段と積極的な引き締めを明確にコミットしない場合に有利となる。
当社が想起するのは、RBNZの積極的な利上げ局面が短期間で反転し、キウイ・ドルが急落した2014~2015年の局面だ。市場の織り込みが実体経済の現実を大きく先回りすると、トーンの変化に対して通貨は非常に脆弱になり得ることが歴史的に示されている。この先例は、足元での当社の慎重なスタンスを裏付ける。
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