EUR/USDは1.1418近辺で推移し、ユーロは米ドルに対して0.2%下落。ドル高が広がる局面で、ユーロはG10通貨の中で中位に位置している。ユーロ圏の生産者物価指数(PPI)と小売売上高は予想通りとなり、ドイツの製造業受注は予想を上回った。短期金利はこの1週間で落ち着きを取り戻し、中期ゾーンの金利先物におけるインプライド利回りの上昇が、3月半ば以降の大半の期間で続いていた逆イールドの解消(カーブの正常化)を後押ししている。
次回のECB理事会は7月23日で、市場は政策変更なしを織り込む。9月10日については、25bpの利上げ確率が50%と見込まれている。テクニカル面では、RSIが6月下旬の30割れから回復して40台前半へ上昇し、中立水準の50へ戻りつつある一方、中期の値動きは2025年半ば以降おおむね1.1300〜1.2100のレンジ内にとどまっている。目先の下値支持は1.1380、上値抵抗は1.1480超に位置する。
ドル高局面でユーロは軟調
ユーロは、全面高となっているドルに対して軟調な値動きを示している。背景には先週金曜日の米雇用統計があり、賃金上昇率が予想以上に強く、FRBの引き締め姿勢が維持されやすいことを示唆した。この環境下では、EUR/USDが上昇モメンタムを獲得するのは難しいとみる。
市場はECBに関する見通しを安定化させ、7月23日の会合では政策変更なしを想定している。直近のユーロ圏インフレ率が2.4%で横ばいとなる中、9月の利上げ織り込みは50%にとどまる。こうしたECBの様子見姿勢は、米国からより明確な政策シグナルが出ていることと対照的だ。
戦略:レンジ志向とボラティリティ売りを選好
中期トレンドが概ねニュートラルであることを踏まえると、今後数週間はボラティリティ売りが最も合理的なデリバティブ戦略だと考える。1.1300〜1.2100のレンジが定着しているため、ストラングル売りやアイアン・コンドルといった戦略が特に魅力的となる。これは、通貨ペアが横ばい推移を続ける公算が大きい局面で、時間的価値の減価(タイムディケイ)から収益化を狙うものだ。
短期では、1.1380のサポートと1.1480近辺のレジスタンスで定義されるよりタイトなレンジに注目している。権利行使価格が1.1500超のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)コール、1.1350割れのOTMプットを売ることでプレミアム獲得を狙う。サプライズがない限り、夏場の閑散期に向けてインプライド・ボラティリティは低下すると見込む。
このレンジ相場観に対する最大のリスクは、今月後半にECBが想定以上にタカ派的なトーンへ傾くことだ。2017〜2018年に見られたように、中央銀行の政策スタンスの乖離局面は、いずれ大きなトレンド相場につながることがある。従って、主要インフレ指標の発表前後ではポジション管理を慎重に行う。
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