先週は米労働指標の弱さとドル安が追い風となり、中東欧(CEE)通貨は持ち直した。市場の関心は再び域内要因へと戻りつつある。あすはハンガリーとチェコの6月インフレ指標が公表予定。先週はポーランドのインフレが下振れサプライズとなったうえ、燃料価格も大きく低下したことから、今回も弱めの結果を見込む向きが優勢だ。
ハンガリーの総合インフレ率は1.8%から1.9%へ小幅上昇が予想されるが、ハンガリー国立銀行(MNB)の予想(2.0%)を下回る見通し。チェコは2.1%から1.9%へ減速が見込まれ、チェコ国立銀行(CNB)の見通し(2.1%)に届かない公算が大きい。いずれも、よりハト派的な政策環境を示唆する内容となる。ポーランド国立銀行(NBP)は水曜日に政策金利を3.75%で据え置く見通しで、同時に新たな経済見通しを公表する。インフレ見通しには米・イラン衝突の影響が織り込まれるため、3月時点から上方修正される可能性がある一方、直近の下振れがハト派的なメッセージ形成に影響する可能性もある。CEE通貨へのリスクセンチメントは改善しているものの、弱いインフレ指標とハト派シグナルは域内通貨の重しとなり得る。中期的なスタンスは引き続き、チェコ・コルナ(CZK)とハンガリー・フォリント(HUF)に強気、ポーランド・ズロチ(PLN)に弱気としている。
米国指標の弱さとインフレ発表の影響
先週の米労働指標の弱さが、中東欧通貨に一息つく余地を与えている。直近の米雇用統計(非農業部門雇用者数、NFP)は増加幅が15万人にとどまり、市場予想(21万人)を下回ったことでドルが軟化した。ドル指数(DXY)は104.5を下回って推移しており、リスク資産にとって追い風の環境となっている。
注目は7月7日に公表されるハンガリーとチェコのインフレ指標へ移る。ポーランドのインフレ下振れサプライズに加え、ブレント原油が1バレル当たり約80ドルまで急落したことを踏まえると、弱めの結果を想定している。ハト派的な市場反応に備えるヘッジとして、EUR/HUFおよびEUR/CZKの短期プットオプションの検討に妙味があるとみる。
中銀政策と通貨戦略
ポーランド国立銀行は7月8日に政策金利を3.75%で据え置く可能性が高く、その際にハト派的なメッセージを発する公算がある。これはズロチ弱気の見方、とりわけ近隣通貨に対する相対的な弱気観を補強する。今後数週間の戦略としては、この乖離を取り込むため、3カ月フォワードでズロチをコルナに対して売る(PLN売り/CZK買い)アプローチが考えられる。
こうしたポジティブなセンチメントは週を通じて続く可能性がある一方、低めのインフレと中銀のハト派トーンは、短期的には域内FXの逆風となり得る。チェコ・コルナとハンガリー・フォリントが下押しする局面は、押し目買いの機会と捉えるべきだと考える。これは両通貨に対する中期的な強気見通しに沿った、魅力的なエントリーポイントになり得る。
中期的には、CZKとHUFの上昇、PLNの下落を見込むスタンスを維持する。歴史的にCNBはインフレに対してより機動的かつ断固とした対応を示してきており、この傾向は今後も続くと予想される。これはCZK/PLNのロング(CZK買い/PLN売り)戦略を支える要因であり、両国経済のファンダメンタルズの差異をより純粋に抽出できる。
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