コメルツ銀行は、シンガポールの堅調な製造業PMIおよび電子産業PMIが、前向きな成長環境を下支えしていると指摘した。同行は、1週間程度以内に公表予定の4-6月期(Q2)GDP速報が、1-3月期(Q1)の前年比6%成長を上回ると予想しており、その強さは製造業と底堅い国内需要に支えられるとしている。また、通年成長率は政府見通し(2~4%)の上限を上回って推移するとみており、8月ごろに公表されるQ2確報を機に、当局が公式見通しを上方修正する余地があるとの見方も示した。
為替市場では、前回セッションでUSD/SGDが約30pips下落し1.2930となったが、依然として年初来高値圏に近い水準にある。コメルツ銀行の短期見通しは、同通貨ペアは方向感のある上昇・下落ではなく横ばいでの推移となり、1.28~1.30のレンジ内でのもみ合い(コンソリデーション)を想定している。
Singapore Economic Fundamentals Underpin USD/SGD Range
USD/SGD為替レートが1.2930近辺の年初来高値圏を維持するなか、当社は同通貨ペアが調整・もみ合い局面に入るとみている。シンガポール経済の底堅さがシンガポールドルの下値を支え、足元では米ドルが大きく上抜ける展開を抑制している。
この見方を支えるのが、シンガポール製造業の前向きな見通しだ。6月のS&Pグローバル・シンガポールPMIは50.6となり、景況拡大を示す50超を10カ月連続で維持し、景気の底堅さを示唆した。こうした強いデータは、近く公表されるQ2 GDPが、Q1の力強い前年比6%成長をさらに上回るとの期待を後押ししている。
一方で、シンガポールドルの上昇余地は米国の足元の強さにより抑えられている。米国では6月の雇用者数が25万人増となり、市場予想を上回ったことで、FRB(米連邦準備制度理事会)が慎重な政策運営を続ける状況が意識されやすい。健全な二つの経済の綱引きが、同通貨ペアがレンジ内で推移するとみる主因である。
Opportunities and Risks Around Low Volatility Strategies
今後数週間は、低ボラティリティ局面で収益機会が生まれやすい戦略が有効になる可能性がある。例えば、権利行使価格が1.30を上回るアウト・オブ・ザ・マネーのコールを売り、1.28を下回るプットを売るといったオプション売り戦略が考えられる。通貨ペアが設定したレンジ内に収まる限り、プレミアム収受を狙うアプローチとなる。
この見通しに対する最大のリスクは、7月中旬ごろと見込まれるシンガポールのQ2 GDP速報の公表だ。同データが大きくサプライズとなれば、現状のレンジを容易に上下いずれかに離れる可能性がある。過去の経験則では、このようなもみ合い局面は、新たな材料の出現を契機に明確なトレンドが生じる前触れとなることが多い。
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