ポンドは金曜日、対ドルでほぼ横ばいとなったものの、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利上げに踏み切るとの見方が後退する中、週間では1%超の上昇ペースを維持した。GBP/USDは1.3350近辺で推移し、1.3354とも伝えられた。200日単純移動平均(SMA)は1.3399に位置し、近接するSMAの集積は1.3409付近で収れんしている。米労働指標では、6月の非農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回り、さらに過去分も改定されて4月・5月合計で▲7.4万人の雇用減を示唆。市場の利上げ時期の織り込みは10月へと傾いた。7月4日終了週の新規失業保険申請件数は21.5万件から21.9万件へ増加が予想され、FOMC議事要旨および7月14日の米インフレ指標、あわせてISMサービス業PMIが注目材料となる。
英国では、通貨が6月中旬水準近辺で取引される中、政治不透明感が続いた。6月のS&Pグローバル英サービス業PMIは49.3から48.8へ低下し、新規受注は4カ月連続で減少。来週はイングランド銀行(BOE)関係者の講演と金融安定報告書が予定されている。デリバティブの織り込みでは、FRBが2026年に利上げする確率は46%、一方で先物はBOEが2026年末までに利上げする確率を70%程度と示唆。テクニカル面では、1.3520近辺からの下降レジスタンスライン、RSI(14)およそ53、長期的な下値支持は1.3159近辺が意識されている。
米利上げ観測とボラティリティ戦略
弱い雇用統計を受け、市場がFRBの9月利上げを適切に疑問視しているとみる。6月NFPは15.0万人と、市場予想の18.0万人を下回った。下方改定により、直前の2カ月は合計で7.4万人の純減となった。失業率も4.0%へ小幅に上昇しており、FRBが様子見を選択する余地が生じている。
最大の注目は7月14日に公表される米インフレ指標で、大きなボラティリティを生む可能性がある。5月のコアCPIは前年比3.5%と高止まりしており、上振れサプライズが出れば9月利上げ観測が再燃し得る。ボラティリティ上昇の恩恵を受けるオプション戦略を通じて、米ドルの急変に備えるべきだ。
このポジション構築として、インフレ指標公表後に満期を迎えるGBP/USD先物のオプション・ストラドル(同一権利行使価格・同一満期のコールとプットを同時購入)を検討している。この戦略は、インフレ結果の方向性を予測せずとも、通貨ペアがどちらかの方向へ大きく動けば収益機会が生じる。
英景気見通し、中銀見通しの分岐、ポジショニング
英国では、景気はスタグフレーションに近いほど弱含んでいる。直近のS&Pグローバル英サービス業PMIは48.8へ低下し、景況の縮小を示した。最新の四半期GDPも成長率は0.1%と低迷している。それでも英国のインフレ率は米国より大幅に高く、直近で4.2%であることから、市場がBOE利上げ確率を70%程度織り込んでいる背景が説明できる。
中銀見通しの分岐に加え、GBP/USDが1.3400近辺でテクニカルな上値抵抗に直面していることを踏まえると、足元のポンド高は脆弱とみられる。米インフレが高止まり(ホット)となれば、同水準で上値を抑えられる可能性が高く、これは弱気ポジションの積み増し機会になり得る。1.3200のサポートを割り込めば、下方向への加速が起こり得る。
金利見通しの乖離がより明確であることから、このテーマをより直接的に捉える手段として金利デリバティブも検討している。今後6カ月で英国の短期金利が米金利に対して相対的に上昇することに賭ける取引に妙味があると考える。これはSONIAおよびSOFR先物に連動する商品を通じて表現可能である。
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