米ドル下落、米雇用統計の弱さでFRB利上げ観測が後退 株高・金高に

by VT Markets
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Jul 3, 2026

米ドルは金曜日にかけて軟化した。6月の米雇用統計が市場予想を下回り、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ確率を市場が再評価する流れとなったためだ。米株式・債券市場は独立記念日の祝日で休場、経済指標の予定も乏しく商いは薄かった。非農業部門雇用者数(NFP)は前月比5.7万人増と、市場予想(11.0万人増)を下回った。加えて過去分は下方修正され、4月は3.1万人、5月は4.3万人それぞれ引き下げられた結果、両月合計で従来推計より7.4万人少ない水準となった。失業率は4.3%から4.2%へ小幅に低下した一方、労働参加率は61.8%から61.5%へ低下した。ドル指数(DXY)は一時、約2週間ぶり安値となる100.50近辺まで下落後に下げ渋り、金曜早朝時点では100.60近辺で前日比0.2%以上安。CMEのFedWatchでは、7月に25bp利上げとなる確率は17%と示され、従来の約30%から低下した。

アジア株は引き締め観測の後退を受けて上昇。韓国KOSPIは6%高、日本の日経225と香港ハンセン指数もいずれも1%超上昇した。ドル円(USD/JPY)は木曜日に約1%下落し、金曜早朝には160.75近辺で約0.25%安。日本当局者は為替の動きに対応する用意があるとした。ユーロドル(EUR/USD)は0.5%上昇し1.1450を上回って推移。ポンドドル(GBP/USD)は1.3350台を維持し、週間では1%超の上昇が見込まれる。金(ゴールド)は木曜日に1%超上昇して4,200ドル近辺へ接近し、週間では約2%高と、4週連続下落に終止符を打つ公算となった。

非農業部門雇用者数(NFP)レポートが市場と政策に与える含意

2026年7月3日時点の市場反応に基づけば、今回のNFPは重要な「ゲームチェンジャー」となった。統計の弱さにより、FRBが今月利上げに踏み切る可能性は大きく低下し、CME FedWatch Toolでの確率は約30%から17%へと低下した。金融政策期待の変化こそが、当面の取引判断を主導する中核テーマである。

米ドルの軟調継続を見込み、デリバティブ市場を通じてそれに沿ったポジションを構築する。具体的には、EUR/USDやGBP/USDなどの通貨ペアでコールオプションを買い、リスクを限定しつつ上方向のエクスポージャーを得る方針だ。同時に、米ドル指数(DXY)先物の売り建ては、100.60近辺で伸び悩むドルを直接的にショートする手段となる。

株式については「悪いニュースは良いニュース(bad news is good news)」の地合いが示唆され、短期的にリスク資産に追い風となり得る。利上げが目前に迫るとの懸念が後退したことで、S&P500など主要指数に対しアウト・オブ・ザ・マネーのプット・クレジット・スプレッドを売る戦略を検討する。この戦略は、相場が安定的に推移する、もしくは緩やかに上昇することに賭けながらプレミアム収入を得る狙いがある。

労働参加率、株式見通し、そして金の機会

雇用統計の内訳では、労働参加率が61.5%へ低下した点が特に示唆的だ。参加率の低下は、ヘッドラインの失業率が低下しても、FRBが無視できない歴史的に強い労働市場の弱さのシグナルである。2008年後の景気回復局面など過去の局面でも、参加率が持続的に改善するまでFRBが緩和的スタンスを維持した例がある。

金は、利上げ観測の後退とドル安に対して想定通りに反応し、1オンス4,200ドルに接近している。この上昇にはなお上値余地があるとみており、金先物(GC)のコールオプション購入により上昇局面を取りに行く。金は数週間にわたる下落基調を断ち切りつつあり、ファンダメンタルズの転換が上昇継続に向けた強いモメンタムを提供している。

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