ダウ平均先物は0.15%安の約5万2,600、S&P500先物は0.24%安の7,520近辺となった。ナスダック100先物は木曜の欧州時間に0.80%下落し、おおむね2万9,850。市場参加者は6月の米雇用統計(非農業部門雇用者数、NFP)と、その結果がFRBの政策見通しに与える影響を見極めるため、慎重なポジション取りを強めた。
慎重姿勢の背景には水曜に出た弱めの指標がある。ADP雇用者数は民間部門の雇用増が9万8,000人となり、市場予想の11万3,000人を下回ったうえ、5月の12万2,000人増からも減速した。ISM製造業PMIは53.3に低下し、市場予想の54.0を下回った。別途、FRBのケビン・ウォーシュ議長はECB主催「中央銀行フォーラム」において、7月の政策について明確な指針は示さなかった一方、インフレ目標2%と制度上の独立性を改めて強調した。現物市場では、S&P500が0.22%安、ダウが0.03%安、ナスダック総合が0.66%安。マイクロン・テクノロジーやサンディスクを中心に、半導体・メモリ株が下げを主導した。
雇用統計待ち:リスクとボラティリティ戦略
市場は6月のNFPを待って方向性を定めようとしていることが明確であり、当社は慎重姿勢を推奨する。民間雇用の伸び鈍化と製造業指標の弱さの組み合わせは、景気の冷え込みを示唆する。次の雇用指標は減速を裏付ける可能性がある重要データで、FRBの次の一手にも大きく影響し得る。
不確実性が高い局面では、雇用統計発表前にボラティリティを買う戦略に妙味があると見る。CBOEボラティリティ指数(VIX)は足元で14程度と比較的低水準にあり、ヘッジや投機に用いるオプションは相対的に割安だ。市場予想の「新規雇用15万人」から大きく乖離すれば、上下いずれの方向にも大きく動きやすく、ボラティリティ急伸で利益を狙う戦略が奏功しやすい。
テック株の弱さとセクター・ローテーションへの備え
予想PERが約28倍と高いナスダックでの明確な弱さは、AI主導の上昇相場が脆弱であることを示唆する。テクノロジー株の一段安に備えるヘッジとして、QQQ(上場投資信託)に対するプット・オプション購入が妥当と判断する。マイクロン・テクノロジーのような銘柄がすでに市場を押し下げ始めている点からも、この見方は補強される。
足元の値動きは、過熱したグロース・セクターから、よりディフェンシブな領域への資金回転(セクター・ローテーション)の可能性を示す。そこで当社は、景気循環への感応度が相対的に低いセクターでの強気ポジションを組み合わせ、テックに対する弱気ポジションのコストを賄う構成を検討している。歴史的に、製造業PMIが低下局面に入ると、資金は公益(ユーティリティ)や生活必需品(コンシューマー・ステープル)に向かいやすい。
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