米労働省労働統計局(BLS)のJOLTS(雇用動態調査)によると、5月末時点の求人件数は759万4,000件となり、市場予想(730万件)を上回り、4月の758万5,000件(当初761万8,000件から下方改定)も小幅に上回った。離職総数は510万件でほぼ横ばい、離職率も3.2%で変わらず。自己都合退職(Quits)は310万件で横ばい、率も1.9%で不変だった。連邦政府では自己都合退職が4,000件増加。レイオフ・解雇は170万件で変わらず、率は1.1%と小幅な動きにとどまった一方、芸術・娯楽・レクリエーションではレイオフ・解雇が4万2,000件減少した。
米ドル指数(DXY)は3日続落後、101.50近辺へ反発。発表前の予想は、4月の761万件に対し730万件の求人、2025年平均は708万件と見込まれていた。4月は3月の688万件から前月比4.6%(73万1,000件)増を記録していた。非農業部門雇用者数(NFP)は5月に17万2,000人増。CME FedWatchの織り込みでは、次回FOMC(来月)の利上げ確率が30%、9月は60%超と示され、1カ月前の6%・20%から大きく上昇した。EUR/USDは13カ月ぶり安値圏に近く、6月は2.17%下落、直近2カ月で約3%下落。サポートは1.1325および1.1210、レジスタンスは1.1500および1.1620〜1.1640が意識されている。
米労働市場の底堅さとFRB政策への含意
5月の求人件数が759万4,000件となった最新データは、米労働市場の底堅さを明確に示すシグナルだと考える。市場予想を上回ったことで、景気が引き締め的な金融政策の継続に耐え得ることが示唆される。これは、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ対応を最優先に据えるうえで、正当性を得やすい状況にあるとの見方を補強する。
この労働市場の強さを受け、金利デリバティブの動向を注視している。CME FedWatch Toolによれば、9月までの利上げ確率はすでに60%を上回った。足元のインフレ指標もその圧力を裏付けており、2026年5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比3.4%と高止まりしている。年内に少なくとも1回の追加利上げを織り込む形で、FF(フェデラルファンド)先物を通じてポジションを構築することは妥当な戦略だとみている。
市場の反応と為替取引戦略
統計発表直後に米ドル指数が101.50近辺へ反発したことは、市場が本統計をタカ派的に解釈したことを示す。歴史的にみても、FRBの引き締め局面を前にドル高が進みやすい傾向があり、このパターンは今後数カ月も続くと見込む。したがって、今後数週間の上値余地を狙い、米ドル指数(DXY)のコールオプション活用を検討している。
7月のNFP公表が近づくにつれ、為替市場のボラティリティ上昇が見込まれる。ボラティリティ指数(VIX)は現在14近辺と落ち着いた水準にあるが、FRBの政策経路を左右し得る重要経済指標の前後では急伸しやすい。主要通貨ペアで想定以上の値動きに備えるオプション購入は、有効となり得る。
EUR/USDについては、1.1500を下回って推移していること自体が、ユーロ圏の低成長も背景とした基調的な弱さを示すとみる。戻り局面は、弱気ポジションを積み増す好機と捉え、プットオプションを用いて13カ月ぶり安値の1.1325再トライを狙う戦略を想定する。米国の相対的な景気優位とドル高という大局観とも整合的である。
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