ラボバンクの基本シナリオは、英国のインフレ鈍化と労働市場環境の緩和を受け、イングランド銀行(BoE)が年末まで政策を据え置くというものだ。英5月のCPIは総合で前年比2.8%となり、その後の原油価格下落は、インフレ期待を抑制し得る要因として位置づけられている。
同メモは、この見方を「今後6カ月で約20bpの引き締め」を織り込む市場価格と対比。さらに金融政策委員会(MPC)は、エネルギー価格の高止まりが再び長期化した場合でも、二次波及(セカンドラウンド効果)の明確な証拠が出るまでは利上げ支持に動きにくい、としている。加えて、BoE利上げ期待の追加的なリプライシング(再織り込み)が進めば、1〜3カ月の時間軸でポンド(GBP)に下押し圧力がかかり、EUR/GBPを押し上げる可能性があると指摘。なお別途、このストーリーは6月30日13:30(GMT)に、見出しの時間軸が「2024年」ではなく「2026年」であることを反映するため修正されたとしている。
市場予想とBoEの金利パスの乖離
市場の想定と、イングランド銀行の実際の金利経路には明確な乖離があるとみられる。市場は利上げを織り込んでいるが、当社はBoEが年末まで金利を据え置くと考える。これは、起こり得る市場の再評価(リプライシング)を前提にした取引機会を生む。
この見方は、直近の経済指標が景気モメンタムの鈍化を示していることにも支えられる。英国国家統計局(ONS)の最新統計では失業率が4.7%に上昇し、5月のCPIインフレ率は2.8%と、数年前のピークを大きく下回る管理可能な水準にとどまった。さらに、北海ブレント原油が1バレル=80ドルを割り込む水準まで下落しており、主要なインフレ圧力源が弱まりつつある。
市場が現在織り込む「6カ月以内に20bpの利上げ」は、足元では過度にタカ派的に見える。トレーダーがこうした期待を巻き戻す局面では、英国の短期金利利回りの低下が見込まれる。この調整は、英国ポンドにほぼ確実に重荷となる。
金利・為替のリプライシング局面でのトレーディング戦略
金利トレーダーにとっては、2026年後半満期のSONIA先物を買う戦略が示唆される。市場が利上げ織り込みから離れ、金利安定シナリオへと再織り込みするほど、このポジションは利益を得やすい。BoEが当面は様子見を続ける、という見立てに対するダイレクトな投資手段となる。
為替市場では、ポンド安、とりわけ対ユーロでの下落に備えるポジショニングに妙味がある。3カ月物のEUR/GBPコールオプションを購入することで、リスクを限定しつつクロスの上昇(ユーロ高・ポンド安)から収益化を狙える。今後数週間、金融政策の方向性の差がユーロを相対的に押し上げ、ポンドには不利に働くとの見通しに整合的だ。
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