インドルピーは週を通じて概ね横ばいで推移したが、債券へのポートフォリオ資金流入が通貨を下支えし、地域の同業通貨をアウトパフォームした。国内債は、インド準備銀行(RBI)のマルホトラ総裁が金融引き締め観測をけん制し、金利見通しのプライシングが修正されたことを受けて、上昇基調を強めた。
インド国債の上昇により10年債利回りは6.75%へ戻り、1年物OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)は1カ月前の6.38%から5.75%へ低下した。景況感にも軟化がみられ、6月の総合PMIは5月の59.3から57.4へ低下し、製造業・サービス業双方でモメンタム鈍化を示唆した。グローバル市場では米ドル高が広範に優勢となる一方、金は1オンス当たり4,000ドルを下回り、ブレント原油は戦前水準へ戻した。
海外ポートフォリオ流入とRBI政策がもたらす機会
米ドル高局面でも、RBIのハト派スタンスは当社にとって明確な機会をもたらしている。今四半期、海外ポートフォリオ投資家はインド債券に60億ドル超を投じており、これがルピーが同業通貨対比で底堅い理由だ。流入は、魅力的な利回りと中銀の引き締め回避姿勢に対する直接的な反応と言える。
市場のハト派方向へのリプライシングを取り込み、1年物OISで固定金利を受ける(レシーブ)ことを検討すべきだ。5月のCPIインフレ率は4.5%と安定しており、RBIの目標レンジ内に十分収まっているため、マルホトラ総裁にはこの姿勢を維持する余地がある。これにより変動金利は抑制的に推移しやすく、向こう数週間は当該スワップ戦略が収益機会となり得る。
この環境下でのトレーディング戦略
海外資金流入と広範なドル高という相反する圧力を踏まえると、USD/INRは一定のレンジ内で推移すると見込む。これは、国内ファンダメンタルズの強さがFRBの引き締め局面でもルピーを下支えした2017年の状況を想起させる。したがって、USD/INRの短期ストラングル売りは、低ボラティリティが見込まれる環境下でプレミアム収受を狙う有効な戦略となり得る。
総合PMIが57.4へ低下したことは、景気モメンタムの緩やかな減速を示し、RBIの見方を後押しする。景気減速はタカ派サプライズの可能性を低下させ、10年債利回り(6.75%)などの金利水準を押し下げた状態に保ちやすい。インド国債の上昇トレンド継続を捉えるため、国債先物を活用した取引が考えられる。
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