円は水曜日、堅調な米ドルに対して弱含み、USD/JPYは40年ぶり高値水準である161.95へ再び接近した。日銀の金利と主要中銀の金利との差が大きい状況が引き続き通貨の重しとなり、東京当局が繰り返す警告による下支え効果を鈍らせた。片山さつき財務相は「為替の動きにはいつでも適切に対応する」と改めて強調。さらに、先のスコット・ベッセント米財務長官とのオンライン協議を受け、協調行動観測も取り沙汰されたが、市場の反応は限定的だった。
日銀の政策金利が相対的に低水準にとどまるなか、円はキャリートレードの資金調達通貨(ファンディング通貨)として選好されやすく、この構図はFRBが年内に少なくとも1回利上げを実施すれば一段と強まる可能性がある。ロイターによると、元日銀政策委員の白井さゆり氏は、FRBが利上げに踏み切った場合、USD/JPYは165.00まで上昇し得るとの見方を示した。長期的には、2013~2024年の日銀の超緩和姿勢が政策スタンスの乖離を通じて円安を促し、2024年以降の正常化(緩和の巻き戻し)局面では、他国の利下げも相まって、米日10年債利回り格差の縮小が進み始めている。
円に対する弱材料の長期化
円を取り巻くファンダメンタルズは、本日(2026年6月24日)時点で総じて強い逆風が続いている。最大の要因は、日銀が0.25%に据え置く政策金利と、FRBの5.50%という政策金利の「巨大な金利差」だ。この格差により、円で調達してドルを買うという典型的なキャリートレードは極めて収益性が高く、市場の支配的な戦略となっている。
こうした傾向は継続するとみられ、USD/JPYは足元で161.50近辺で推移している。米国では、2026年5月のインフレ指標でCPIが3.5%と粘着的な伸びを示し、雇用統計も堅調だったことから、FRBが早期に利下げへ動く理由は乏しい。一方、日本のインフレ率は目標を下回っており、日銀が積極的な利上げを行う環境にはない。
日本当局は口先介入(警告)を強めているが、過去の対応も踏まえる必要がある。2022年後半の大規模介入では、日本は600億ドル超を投じたものの、強力な市場のファンダメンタルズに対して効果は一時的にとどまった。足元で介入が行われた場合も、同様に短命な影響にとどまり、下押し局面は押し目買いの機会と捉えられやすいと見込まれる。
戦略的ポジショニング:オプションとリスク管理
以上を踏まえると、今後数週間の戦略としては、USD/JPYのコールオプションを買うことが妥当な選択肢と考えられる。これにより、一部アナリストが意識し始めた165円方向への上昇余地を取り込みつつ、財務省が突発的かつ大規模な介入で市場を驚かせた場合でも、損失を限定できる。
より高いリスク許容度を持つ投資家にとっては、先物を用いてUSD/JPYのロングを維持することも可能だが、厳格なリスク管理が不可欠となる。主要なリスクはファンダメンタルズの変化というより、介入に起因する急激で予測困難な値動きだ。したがって、ロングポジションには、当該イベントリスクに備えた規律あるストップロスの設定が求められる。
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