NZD/USDは6日続落となり、週明け水準から下げ幅を広げている。水曜日の欧州時間序盤は0.5655近辺で推移し、米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的なメッセージを受けて米ドルが上昇したことが重しとなった。米連邦公開市場委員会(FOMC)は6月会合で政策金利(翌日物金利)の誘導目標を3.5%~3.75%に据え置いた。ドナルド・トランプ大統領がケビン・ウォーシュ氏をFRB議長に指名して以降、初の金融政策決定となる。ウォーシュ氏はインフレ率を2%へ戻す目標を改めて強調。CMEのFedWatchでは、市場が12月利上げ確率を約86.1%と織り込み、先週会合前の61%から大きく上昇した。焦点は木曜日発表の米5月個人消費支出(PCE)データに移る。
キウイも地政学的緊張を背景にドル買いが進むなか、2025年11月下旬以来の安値圏で上値の重い展開が続いた。トランプ氏は「イランがIAEA(国際原子力機関)査察官の再受け入れに合意した」と述べたが、イラン当局は日程は設定されておらず核問題に関する協議も始まっていないとした。別途、イラン側の首席交渉官はホルムズ海峡について「戦前の状態に二度と戻らない」と述べ、同水路の支配を維持する考えを示した。NZDは米・イラン関係の見通し変化に敏感な状態が続いている。
FRB政策、金利見通し、そして米ドル高というテーマ
NZD/USDには一貫した下押し圧力がかかっており、目先も弱含みが続く可能性が高い。主因は、FRBのタカ派スタンスを追い風に上昇基調を強める米ドルである。市場は年末までの利上げを強く織り込みつつあり、これがドルを下支えし続ける公算が大きい。
12月のFRB利上げ確率は86%を上回り、米金利優位をより確かなものにしている。歴史的に、利上げ期待がここまで強固な局面では、ドル指数(DXY)が上昇トレンドを描きやすい。実際、2022年の利上げ局面ではDXYが上昇を続け、20年ぶり高値を付けた。同様のパターンが再現されれば、NZD/USDにとって大きな逆風となる。
木曜日の米PCEは、当社見通しの重要な検証点となる。足元の米コアインフレ率は2.7%近辺で推移しており、再び強めの数字となれば、FRBの「2%目標」へのコミットメントを裏付け、NZD/USDの一段安につながりやすい。市場予想を上回るインフレ指標となれば、利上げ観測をほぼ決定付け、ドル高を加速させる可能性が高い。
地政学、中国、国内ファンダメンタルズがNZDの逆風に
ニュージーランドドル側では、米・イラン緊張を背景とする典型的なリスクオフ環境が重荷となっている。投資家心理を映すVIX(恐怖指数)は直近で18を上回る水準まで上昇しており、キウイのようなリスク資産からドルなどの安全資産へ資金がシフトしていることを示唆する。ホルムズ海峡での緊張が高まれば、この流れはいっそう強まり得る。
加えて、キウイを支える材料は乏しい。最大の貿易相手国である中国の景気指標は減速を示しており、製造業PMIは49.5へ低下して景況感の縮小(50未満)を示した。さらに、直近のグローバル・デイリー・トレード(GDT)オークションでは価格が2.2%下落し、ニュージーランドの主要輸出収益に直接的な下押し圧力となる。
以上を踏まえると、今後数週間のNZD/USDについては、デリバティブ戦略は下方向を想定したポジショニングが有効と考える。権利行使価格0.5600近辺、満期1カ月程度のプット・オプション購入は、下落継続から収益機会を得る明確な手段となる。この戦略は下落モメンタムを取り込みつつ、最大損失をオプション・プレミアムに限定できる点が利点である。
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