NYMEXのWTI先物は、月曜日のアジア時間に1.2%安の約75.50ドルとなり、米国とイランがスイスで「60日以内の合意」に向けて進展があったと報じたことを受け、序盤の上昇分を打ち消した。CNBCによると、イランのアッバス・アラグチ外相は、石油・石油化学製品輸出に関する適用除外(ウェーバー)、米海軍によるイラン港湾封鎖の解除、凍結資産の一部解放、復興・開発計画の開始に言及した。別途、イランは週末にホルムズ海峡を再閉鎖したとした一方、その後、外務省は商船の安全通航を確保するための正式な通過メカニズムが整備されたと発表した。
米国のJD・バンス副大統領も協議が「大きく進展した」と述べ、仲介国のカタールとパキスタンも進展に言及した。パキスタン=カタールの共同声明では、高位委員会が60日以内の最終合意に向けたロードマップに合意し、追加の技術協議を直ちに開始できるとした。テクニカル面では、WTIは依然として20日指数平滑移動平均(EMA、約84.05ドル)を下回り、RSI(14)は33近辺。上値抵抗は84.05ドル、次いで90ドル。下値支持は6月18日安値の72.79ドルで、同水準を割り込めば67.20ドル方向への下押し余地が意識される。
地政学と供給に左右される弱気のファンダメンタルズ
米・イラン協議の大きな進展が、原油価格下落の主因だとみている。60日以内に最終合意に至る可能性は、ファンダメンタルズ面で明確に弱気の見通しをもたらす。この地政学的な変化が、今後数週間の市場の方向性を規定する公算が大きい。
合意が成立すれば、数カ月以内にイラン産原油が日量最大130万バレル、世界市場に再流入する可能性がある。足元のデータでは世界在庫がすでに安定していることが示されており、市場がこれほどの追加供給を大幅な価格調整なしに吸収できるとは考えにくい。
供給面の圧力に加え、需要の減速を示す兆候もある。先週公表された米エネルギー情報局(EIA)の短期エネルギー見通し(STEO)は、第3四半期の世界需要増加見通しを下方修正し、中国の産業活動の鈍化を理由に挙げた。供給増と需要軟化の組み合わせは、強力な弱気材料となる。
2015年の核合意(JCPOA)前後は、歴史的な参照点となる。当時は合意に向けた過程および合意後に、市場がイラン原油の復帰を織り込み、WTIは30%超下落した。今回は同様の展開が想定されるものの、下落の度合いは当時ほど深くない可能性がある。
原油価格のさらなる下落に向けたポジショニング
この見通しを踏まえ、プットオプション購入により、さらなる下落局面に備えている。直近安値72.79ドルを下回る行使価格を狙い、戦前水準とされる67.20ドル近辺を視野に入れる。これらのオプションは、今後60日間に想定される価格下落を、リスクを限定しながら取り込む手段となる。
また、84.05ドルのレジスタンス水準以上の行使価格で、弱気のコール・クレジット・スプレッドも構築している。この戦略は、WTIが想定通りこのテクニカル上限を下回って推移すれば利益となり、上昇局面は短命に終わりやすいとみている。RSIの低さも、上方向の動きがあっても失速しやすいとの見方を裏付ける。
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