金は4,200ドル台を回復、FRBのタカ派姿勢と中東情勢の緊迫化で上値重い

by VT Markets
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Jun 22, 2026

金(XAU/USD)は3日続落に歯止めがかかり、再び4,200ドルを上回った。ただし、金曜日に付けた1週間超ぶりの安値圏に近い水準での推移が続いた。原油は、仲介国のカタールとパキスタンが米・イラン和平合意に向けた正式な60日間のロードマップを提示したことを受け、週初の小幅な上窓を埋める形で反落。インフレと金利への懸念が和らぎ、金相場にも一定の下支えとなった。しかし、米ドル(USD)は底堅さを維持し、金の戻りを抑えた。

市場は先週のタカ派的な見通しを受け、年末までの米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ確率を約90%と織り込む。新FRB議長のケビン・ウォーシュ氏は物価安定を強調し、成長が鈍化しても利下げを急がない姿勢を示唆した。イランはホルムズ海峡を再び封鎖したとし、米国とイスラエルが停戦合意に違反したと非難。ドナルド・トランプ大統領は追加の軍事行動を示唆した。ロシアもウクライナの都市への攻撃を強めており、米ドルは2025年5月以来の高値圏を維持している。テクニカル面では、金は4,334ドル近辺の200日EMAを上回れず上値を抑えられており、RSIは30台後半、MACDもマイナス圏にとどまる。

金の戻りはFRBと地政学リスクの圧力下で脆弱

2026年6月22日という現在時点を踏まえると、金の小幅反発は脆弱で、持続性に乏しい可能性が高い。支配的な要因は、タカ派的なFRB観測と地政学的不安定さを背景にした米ドル高である。金価格の上昇は、新たな強気トレンドというより戻り売りの機会と映る。

無利息資産である貴金属の方向性を大きく左右する金利確率を注視している。CME FedWatchツールでは、年末までの利上げ確率がほぼ90%と織り込まれており、この確信度は2022年の急速な利上げ局面以来の水準だ。こうした環境下では、金よりも米ドルを保有する魅力が相対的に高まる。

金のテクニカルと市場戦略

イランとの緊張再燃は重要な材料だが、金よりも安全資産としての米ドルを押し上げている面が大きいように見える。世界の原油供給の約20%が通過するチョークポイントであるホルムズ海峡への脅威は、歴史的にドル建て資産への逃避を誘発しやすい。この力学は、今後数週間のXAU/USDの上昇余地に強い上値の蓋を形成する。

テクニカル面では、4,334ドル近辺の200日EMAを回復できなかったことは重要な弱気シグナルである。当方では、新規ショートを構築するうえでの「一線」としてこの水準を重視する。金価格がこの水準を明確に上回って終えない限り、抵抗の少ない方向は下方のままだ。

デリバティブ投資家にとっては、下落継続またはレンジ相場での収益機会を狙い、プットオプションの購入やベア・コール・スプレッドの構築が示唆される。地政学的不確実性の高さでインプライド・ボラティリティは上昇しているが、FRBのスタンスによるファンダメンタルズ面の圧力が、方向性バイアスを比較的明確にしている。当方では4,300ドル近辺への反発局面があれば、弱気ポジションの積み増しに活用したい。

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