FRBがタカ派に転じドルは13カ月ぶり高値、原油急落でユーロ/ドルの反発余地も強まる

by VT Markets
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Jun 19, 2026

米ドル指数(DXY)は、米連邦準備制度理事会(FRB)が2012年のドットチャート公表開始以来最大のタカ派シフトを示したことを受け、2025年5月以来の高水準に上昇した。会合後の3日間でドルは1.5%上昇した。この動きは外交面の混乱とも重なり、イランがレバノンに対するイスラエルの攻撃を理由に離脱したことで、スイスとの覚書(MoU)の署名が延期された。

一方、原油価格はこの1カ月で急落しており、IEA(国際エネルギー機関)の最新月報は、原油市場が供給過剰となり、その状況が2027年まで続く可能性を示唆している。IEAは足元の弱さの一因としてホルムズ海峡を通過するフローの増加を挙げ、出荷量が5月の日量960万バレル(mb/d)から6月上旬には約1,200万バレルへ増加したと推計した。背景にはオマーン湾での船舶間積み替え(STS)の寄与もあるという。エネルギー価格のディスインフレ圧力が年末から2027年にかけて強まる可能性がある中、米インフレは「ほぼピーク近辺」とされ、FRBの追加利上げは起こりにくいとの見方が示される一方、政策環境とマンデートの違いからECBには利上げ余地が相対的に残るとの整理となっている。MUFGはまた、2026年後半にかけてEUR/USDが上昇するとの見通しを示している。

FRBのタカ派シフトがドル高を後押し

米ドルは13カ月ぶりの高値水準に上昇し、ドル指数(DXY)は107.50を上回った。この動きは、FRBが公表した最新のドットチャートで大きなタカ派シフトが示され、年末時点の政策金利見通し(中央値)が引き上げられたことへの直接的な反応と言える。市場はインフレに対するFRBの強硬姿勢を織り込みつつある。

エネルギー価格とユーロ見通しが乖離を生む

しかし、このタカ派姿勢と、エネルギー価格の急落との間には齟齬が見られる。WTI原油はこの1カ月で15%超下落し、1バレル75ドルを下回った。IEAは来年にかけて供給過剰が続くと予測しており、先行きのインフレは上振れではなく、むしろ低下方向を示唆する。

こうしたドル高局面は、今後数週間での反転を見据えたポジション構築の機会になり得ると考える。最新の米CPIではコアインフレ率が3.2%へ鈍化しており、インフレはピークを打ち、FRBは実際には利上げに踏み切らないとの見方を裏付ける。市場はFRBのガイダンスに過剰反応している可能性があり、2018年後半にタカ派的だったFRBが速やかに方針転換した局面と同様のパターンが想起される。

同時に、欧州中央銀行(ECB)はサービスインフレの粘着性に直面しており、同指標は4%を上回る水準にとどまっている。これにより、ECBの追加利上げの可能性が高まっている。こうした政策スタンスの相違は、足元で1.0600を下回って伸び悩むEUR/USDの下値を支える要因となり得る。年後半にかけた回復局面を見据え、EUR/USDのロングを積み上げる局面を探りたい。

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