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中東情勢の緊迫化で原油・金が上昇、ドルは99台で下げ渋り 焦点はユーロ圏HICPへ

by VT Markets
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Jun 2, 2026

週明けの東京時間は、中東情勢のヘッドラインを見極める動きが優勢となり、市場は落ち着いた推移となった。焦点は、ユーロスタットが公表するユーロ圏の5月HICP(統一消費者物価指数)速報値と、米4月JOLTS求人件数に向けられている。イランの交渉団が、レバノンへの攻撃に抗議して仲介者を通じた米国とのメッセージ交換を停止したことを受け、安全資産需要がドルを押し上げ、週明け月曜にはドル指数が0.2%超上昇した。原油も急伸し、ホルムズ海峡およびバブ・エル・マンデブ海峡の封鎖が示唆されたことから、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は約5%上昇。欧州時間の米株価指数先物は小幅安となる一方、ドル指数は99.00をやや上回る水準を維持した。

為替市場では、EUR/USDが前日の下落を受けて1.1650近辺まで持ち直した。HICPの前年同月比は5月に3.2%と、4月の3.0%から上昇する見通し。GBP/USDは、イングランド銀行(BoE)のアンドリュー・ベイリー総裁の議会証言を控え、1.3450を上回る水準で堅調に推移した。USD/JPYは日銀会合議事要旨で、2027年度からの国債買い入れ縮小(テーパリング)について「一旦停止」または「ペースを落とす」ことを求める意見が示された後も、159.70近辺でもみ合い。金(ゴールド)は月曜の約1%下落から反発し、1オンス=4,500ドルを上回って取引された。

地政学が原油・ドル・金に与える影響

デリバティブ取引の観点では、当面の最重要テーマは原油ボラティリティにあるとみる。ホルムズ海峡が脅かされれば、世界の日量供給の20%超が混乱する恐れがあり、価格急騰が起きる可能性は高い。この不安定さから収益機会を得るため、今後30〜60日を対象に、WTI先物のアウト・オブ・ザ・マネーのコールオプションを取得する。

米ドルの強さは、こうした地政学リスクが生む典型的なリスクオフ環境の直接的な帰結である。米・イラン交渉の行き戻りは不透明感を増幅させ、ドル指数を99.00の上で下支えし続ける公算が大きい。中東でのさらなるエスカレーションに備えるヘッジとして、米ドル指数先物の買いを機会と捉える。

金は主要な安全資産としての地位を再確認し、1オンス=4,500ドル超で安定的に推移している。この水準は、長年にわたる世界的なインフレ圧力と繰り返される政治ショックを織り込んだもので、2020年代前半の紛争期を通じて定着したパターンでもある。したがって、コアのポートフォリオヘッジとして金先物のロングを積み増す。

金融政策の乖離局面における通貨市場の機会

ユーロ圏のインフレ率が3.2%と高止まりしていても、ドルの安全資産としての地位がユーロの強材料を上回ると予想する。EUR/USDが上昇を維持できない点は、基調の弱さを示唆している。このため、EUR/USDのプットオプションを購入し、中東情勢が早期に沈静化しない場合の下落を見込む。

円は日銀のハト派的な政策示唆によって引き続き弱含み、USD/JPYは重要水準の160.00近辺に接近している。歴史的にみても、介入警戒があっても、ストレス局面では米国と日本の政策スタンスの乖離が同通貨ペアの上昇を後押ししやすい。円安進行に備えつつ、慎重にUSD/JPYのロングを維持し、コールオプションを用いて追加的な円安局面の取り込みを図る。

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