トランプ氏、1週間以内の対イラン合意を見通し ホルムズ海峡の緊張でWTI上昇、ボラティリティ見通しも上振れ

by VT Markets
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Jun 2, 2026

ドナルド・トランプ米大統領は月曜日、ABCニュースに対し、停戦の延長とホルムズ海峡の再開を巡り、イランとの合意が「来週中」にまとまる見通しだと述べた。発言は、イスラエル軍とレバノンのヒズボラが絡む事態のエスカレーションを食い止めるために同氏が介入した後に出たもので、協議についてはなお一部の詳細が未解決だとも語った。

トランプ氏は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に電話し、ベイルートへの大規模な急襲作戦を進めないよう求めたと説明。イスラエル部隊は引き返したという。その後、ヒズボラはレバノン南部のイスラエル目標に対する複数の攻撃を主張。一方、イスラエル軍はレバノンからイスラエル領内に向けて発射された飛翔体2発を迎撃したと発表した。市場では、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が執筆時点で前日比4.35%高の1バレル=90.65ドルとなっている。

市場の不確実性とボラティリティの反応

報道が錯綜していることを踏まえると、市場を動かしているのは楽観ではなく不確実性だ。大統領発言は緊張緩和を示唆する一方、軍事行動の継続や同盟国からの食い違う情報は別の現実を示している。これは次のヘッドライン一つで原油価格が大きく振れ得る、典型的な高ボラティリティ局面を生む。

市場の懐疑的な姿勢は値動きにも表れており、今後数週間にわたりインプライド・ボラティリティは高止まりすると見込む。CBOE原油ボラティリティ指数(OVX)は50を超える水準まで急騰している可能性が高く、これは市場ストレスの強まりと大幅な値動きの織り込みを示唆する。こうした環境では、先物を単純に買う・売るといった方向性の賭けは、足元では極めてリスクが高い。

地政学的緊張下での戦略的トレード

このパターンは、2015年のイラン核合意に至る局面でも見られた。進展・決裂のうわさが出るたびに原油は急変動し、当時のデータでは、合意への確度が高まるにつれてWTIは最終的に20%以上下落し、イラン産供給の市場復帰が織り込まれていった。ホルムズ海峡再開に関する信頼できる合意が成立すれば、今回も同様の急落が起こり得る。

リスクは極めて大きい。ホルムズ海峡は依然として世界の石油消費のおよそ20%の輸送を担う。再開が確実になれば、供給と信認が市場に戻り、WTIは80ドル前半、場合によっては70ドル後半へ押し戻される可能性が高い。このため、急な前向きの決着で利益を狙う手段として、アウト・オブ・ザ・マネーのプットオプション購入を検討している。

一方で、協議が決定的に決裂すれば、リスクプレミアムの急騰により原油は容易に1バレル=100ドル超へ上振れし得る。直近データでも、ペルシャ湾で運航するタンカーの海上保険料率は過去1カ月で2倍以上に上昇しており、具体的なリスクを反映している。したがって、深刻な衝突激化に備えるヘッジとして、コールオプションを一定程度保有することが不可欠となる。

結論として、最善の戦略は方向性を当てに行くのではなく、ボラティリティそのものを取引することだ。ロング・ストラドルやストラングルといった戦略を用い、上にも下にも大きく動く前提でポジションを構築する。向こう2〜3週間、市場における唯一の確実性は不確実性だというのが当社の見立てである。

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