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米ドル/スイスフランは上昇、米・イラン協議の停滞で原油高、FRBとスイス中銀の政策格差拡大で

by VT Markets
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Jun 1, 2026

USD/CHFは月曜日、米・イランの短期的な合意期待が後退したことで米ドルが支えられ、スイスが堅調な生産データを公表した後もスイスフランが重しとなり、上昇した。通貨ペアは0.7878近辺で取引され、約0.88%高となった。イランのタスニム通信は、イスラエルがレバノン南部でヒズボラに対する軍事作戦を拡大するなか、テヘランがワシントンとのメッセージ交換を停止したと報じた。週末には米国とイランが追加的な非難の応酬を行った。米ドルは、暫定的な60日間の覚書(MOU)に関する報道を受けて軟化した先週の動きから持ち直した。

米ドル指数(DXY)は、金曜日に付けた2週間ぶり安値の98.75近辺から反発し、99.33前後で推移した。原油は上昇し、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は5%超高となった。これがインフレ懸念を強め、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを迫られるとの見方から米国債利回りを押し上げた。一方、スイス国立銀行(SNB)は、インフレ率が目標レンジである0~2%の範囲内にあることから、政策を据え置くとの見方が優勢だ。木曜日発表予定のスイスCPIは、4月の0.6%から5月は0.8%へ上昇すると予想されている。米国では企業景況感が改善し、S&Pグローバルの製造業PMIは54.5から55.1へ上昇、ISM指数も54へ上昇し、2022年5月以来の高水準となった。スイスでは第1四半期GDPが前期比0.7%増と、予想の0.5%増(前期は0.2%増)を上回り、SVME PMIも54.5から57.3へ上昇した。

地政学リスクと金融政策の方向性の違いがドルを追い風に

地政学的緊張の再燃と原油高を踏まえると、今後数週間における主要な受益通貨は米ドルになるとみている。ワシントンとテヘランの意思疎通が途絶したことに加え、WTI原油が足元で1バレル=90ドルを上回って急伸していることは、リスク回避(リスクオフ)局面を強め、ドル選好を後押しする。この環境は、スイスフランのような通貨にとって明確な逆風となる。

こうしたドル高は、FRBとSNBの金融政策スタンスの乖離拡大によっても裏付けられる。直近の米国の2026年5月インフレ指標は前年比3.5%増と粘着性が強く、FRBをタカ派的な路線にとどめている。一方、スイスのインフレ率は1.4%と落ち着いており、SNBは今年に入って政策金利を1.50%へ引き下げた。この政策格差は、スイスフランよりも米ドルを保有する魅力を高める。

マクロの基礎環境と取引ポジショニング

経済指標も、米国とスイスの「景気スピードの違い」という見立てを補強している。米国の最新のISM製造業PMIは50.5と堅調で、景気の底堅さと拡大基調の継続を示唆する。一方、スイスの直近のProcure.ch製造業PMIは46.4と縮小圏で、輸出主導の同国経済が逆風に直面していることを示している。

デリバティブ取引の観点では、この状況はUSD/CHFのロングが有望だと考える。上昇局面を取り込みつつ下振れリスクを管理するため、USD/CHFのコールオプション買いを検討している。足元の環境を踏まえると、通貨ペアは現在の0.9250近辺から上昇基調を維持する可能性があり、ドルを支えるファンダメンタル要因に緩む兆しは見られない。

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