英国のS&Pグローバル製造業PMIは5月に53.9と、前月の53.7から小幅に上昇し、月次で工場景況感がわずかながら改善したことを示した。最新の指数は拡大基調の継続を示唆しており、好不況の分岐点である50.0を上回る水準を維持している。
上昇は生産活動が底堅いペースで推移していることを示す一方、4月からの変化は限定的だった。PMIが53.9となったことで、5月のセクターのパフォーマンスは前月の53.7と概ね整合的であり、製造業のモメンタムが安定的かつ緩やかに上向いていることが改めて確認された。
英国資産・市場への含意
英国の製造業PMIが53.9へ上昇したことは、同部門の拡大が加速していることを示し、マクロ経済全体にとってポジティブなシグナルだ。この強さは、イングランド銀行(BOE)が近い将来に利下げに踏み切る可能性を低下させる。英国関連資産については、慎重ながらも前向きに捉える材料とみる。
このデータを受け、英国株、とりわけ資本財・産業セクターへの関心が高まると考える。こうした前向きな経済シグナルにより、FTSE100が直近の上値抵抗となっている8,500近辺を上抜ける可能性があるとして、同指数のコール・オプションを検討している。これは、過去1四半期にわたり企業利益見通しが着実に改善していることにも支えられる。
ポンド、ギルト、金融政策見通しへの影響
本指標は英ポンドの支援材料となる見込みだ。最新の英国家統計局(ONS)データでは英国のインフレ率が2.8%と、2%目標をなお大きく上回って底堅い。製造業が堅調であれば、BOEには政策金利を据え置く理由が一段と増す。GBP/USDはこの1カ月、1.28近辺で持ち合っているが、上昇余地を見込んだポジションを構築している。
一方で、このニュースは英国債(ギルト)には弱材料となる。景気成長の強まりとインフレ期待の粘着性は、ギルト利回りの押し上げ(価格下落)につながりやすい。現状、10年ギルト利回りは4.35%に位置しており、同利回りの上昇から利益を得る戦略を検討している。
BOEは前回会合で政策金利を4.75%に据え置いたが、今回のデータは議論の中でタカ派寄りの材料となる。歴史的にみれば、2016年末に見られたような製造業の強い拡大局面は、その後の金融引き締めを先取りするケースが少なくない。今後は、景気の底堅さを確認するため、発表予定のサービス業PMIを注視する。
今すぐ取引を始めましょう — VT Marketsのリアル口座を開設するにはこちらをクリックしてください。