英政府統計局(ONS)によると、英国のILO失業率は4月までの3カ月で前回の5.0%から4.9%へ低下し、市場予想の5.0%を下回った。失業保険申請件数(Claimant Count Change)は5月に3.12万人増となり、4月(0.83万人増へ上方修正)および予想(2.58万人増)を上回った。雇用者数変化(Employment Change)は3月の14.8万人増から4月は10.0万人増へ減速したものの、予想の8.0万人増は上回った。
賃金の伸びは底堅かった。4月までの3カ月のボーナス除く平均賃金は前年比3.4%上昇と前回から横ばいで、予想の3.2%を上回った。ボーナス込み平均賃金は前年比4.4%上昇と、前回(4.4%へ改定)から同水準で、予想の4.0%を上回った。発表後、英ポンドは小幅高となり、GBP/USDは1.3310近辺で前日比0.14%高。テクニカル面では、20期間単純移動平均および100日移動平均を下回った状態が続き、RSI(14)は40近辺。注目水準として、サポートは1.3305、レジスタンスは1.3408、1.3455、1.3513が挙げられた。
労働市場のトレンドと英中銀(BoE)政策見通し
英国の労働市場では、過去の統計と同様に、力強い賃金上昇が通貨の値動きを左右する「おなじみのパターン」が見られる。今週発表された最新のONSデータでは、失業率はより低い4.2%となった。一方、ボーナス込み賃金上昇率は5.1%と高止まりしており、英中銀に対する圧力が続いている。
この粘着的な賃金インフレこそが最重要の注目指標であり、英中銀の先行きを複雑にしている。先月の失業保険申請件数は1.55万人増加したものの、賃金指標の強さを踏まえると、英中銀が近く利下げを検討する可能性は低い。これにより、短期的に大幅な金融緩和に踏み切る確度は低下するとみている。
GBP/USDの取引戦略と市場見通し
雇用情勢がやや軟化する一方で賃金インフレが高いという相反するシグナルを踏まえ、GBP/USDではオプション戦略に妙味があると考える。英中銀はデータ次第の姿勢を強めており、次の主要指標発表までレンジ推移となった後、材料で急変動する展開が想定される。方向性に依存せずボラティリティ上昇を狙う戦略として、ストラドルの買いを検討している。
足元のGBP/USDは1.2750近辺で推移しており、過去データにある1.3310とはテクニカル環境が大きく異なる。1.2700近辺で下値支持が意識される一方、上昇モメンタムは弱い。この水準を明確に割り込む場合、プットオプション購入のシグナルとし、1.2600方向への下落をターゲットにする。
今後数週間で最大の焦点は次回の消費者物価指数(CPI)となる。インフレ率が市場予想を大きく下回れば、英中銀政策を巡る市場の織り込みが急速に変化し、ポンドが急反発する可能性がある。このため、短期的な弱気バイアスを維持しつつも、保険としてアウト・オブ・ザ・マネーのコールオプションでヘッジを入れている。
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