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ブレント原油が80ドル割れ、原油主導のディスインフレがFRB見通しを緩和し金利ポジションを再構築

by VT Markets
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Jun 17, 2026

MUFGによれば、原油価格が急落したことを受け、北海ブレント原油は1バレル=80ドルを下回った。80ドル割れは3月3日以来初めて。原油は5月18日の日中高値から約1カ月で30%下落しており、同行はこの動きを、エネルギーに起因する足元のインフレリスクに対する市場の見方を和らげ、インフレ圧力全般の評価のされ方を変えるものだと位置づけた。一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)は、総じてタカ派的な政策スタンスと見通しを維持している。

ただし、市場の織り込みは原油下落の大きさが示唆するほどには動いていない。原油が約30%下落する中でも米2年国債利回りはほぼ横ばいで、短期のイベントリスクを前に金利見通しを大きく再評価する動きへの意欲が限られていることがうかがえる。記事はまた、原油安は、株式の上昇基調の継続や、予想を上回る内容が続いた直近3カ月の非農業部門雇用者数(NFP)統計を一部相殺する要因ではあるものの、リスクセンチメントを全面的に転換させるほどの材料にはなっていない、とも説明した。

原油主導のディスインフレと金融政策見通し

ブレント原油が1バレル=78.50ドル前後で安定する中、この急激な30%下落は、今後数カ月のインフレ見通しを本質的に変えるとみている。5月の最新の総合CPIはこれを裏付け、前年比2.9%へ低下したが、主因はエネルギー項目の下落だった。FRBが強硬姿勢を示し続けるとしても、政策運営には相応の「余裕」が生まれる。

昨夜のFOMCでFRBが政策金利を据え置きつつタカ派バイアスを示した後でも、市場は年後半によりハト派寄りの政策へ傾く可能性を過小評価していると考える。米2年国債利回りはほとんど動かず、トレーダーが堅調な株式パフォーマンスと、エネルギーによる新たなディスインフレ圧力を天秤にかけていることを示唆する。この結果、FRBにはインフレを追いかけて積極的な利上げを行う必要性が低下しており、金利デリバティブでの投資機会が生じている。

市場ボラティリティ、イールドカーブ戦略、エネルギー戦略

この環境下では、一部セクターでインプライド・ボラティリティが割高だとみている。VIXはすでに14カ月ぶり低水準の12.5まで低下しており、エネルギー起点のインフレ急騰という当面の脅威が消えたことから、金利先物のボラティリティも一段と低下(コンプレッション)すると予想する。SOFR先物でのショート・ストラングルなどを通じてボラティリティを売ることを検討しており、夏場にかけて金利環境がレンジ内で推移しやすいとの見立てに賭ける。

過去を振り返ると、2014〜2016年のような原油価格の急落局面は、短期的な利上げ期待の後退に伴いイールドカーブのフラット化を招きやすかった。米2年・10年国債先物間のカーブ・フラット化で利益を得るスプレッド取引を行い、同様のダイナミクスを狙う。FRBがすぐに利下げに踏み切るとは見ていないが、追加の積極的な引き締めを正当化する根拠は大きく弱まった、という見方を表現する戦略だ。

エネルギー市場では、先週のEIA統計で在庫が予想外に210万バレル積み増しとなったことが示す通り、需給はなお緩いとみられる。原油価格の急反発は見込みにくく、明確な方向性に賭けるよりもレンジ戦略の妙味が高い。新たな低位価格水準を市場が消化する間、エネルギーETFのロングに対してカバード・コールを売却し、インカム収益を狙うことを検討している。

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