NZD/USDは水曜日の欧州時間序盤に0.5820近辺まで下落し、前日の小幅高を吐き出した。米連邦準備制度理事会(FRB)の決定をこの日後半に控え、警戒感が強まった。FRBは政策金利を3.50%~3.75%のレンジで据え置く見通しだが、市場ではケビン・ウォーシュFRB議長が初の政策会合でよりタカ派的な姿勢を示す可能性を織り込む動きがみられる。
一方で、米国とイランの和平合意観測に伴うリスクセンチメントの変化が下支え要因となった。米国のJ・D・バンス副大統領は、トランプ大統領が当初予定より早く予備的合意を公表する可能性に言及。これに先立ち、トランプ大統領は枠組みはすでに署名済みと述べていた。また、イランのセイエド・アッバス・アラグチ外相は、最終的で包括的な合意を目指す新たな協議をスイスで実施すると確認した。ニュージーランドでは、2026年1-3月期の経常収支赤字が前年のNZD 7.1億からNZD 10.1億へ拡大(予想NZD 10.3億)。消費者信頼感指数は6月に80.4へ低下し、2023年以来の低水準となった。市場の関心は木曜日発表の1-3月期GDPに移っている。
相反する要因とボラティリティ見通し
NZD/USDは相反する材料に挟まれ、不確実性が高まっている。よりタカ派的となり得るFRBは通貨ペアに下押し圧力をかける一方、米・イラン和平合意の可能性は上昇の強力な要因となる。これを受け、NZD/USDの1カ月物オプションのインプライド・ボラティリティは11.2%のプレミアム(4カ月ぶり高水準)へ上昇し、市場は大きな値動えに備えている。
目先の焦点は本日のFRB声明と、明日のニュージーランド1-3月期GDPだ。市場予想は前期(2025年10-12月期)の低迷した+0.2%に続き、前期比+0.1%の鈍い成長にとどまる見立て。仮にマイナス成長となれば、0.5800のサポートを容易に割り込む可能性がある。FRBが強いトーンを維持するとの見方は、短期的な下振れリスクを一段と増幅させる。
和平合意による上振れとニュージーランドの先行き
もっとも、和平交渉による大きな上振れリスクも織り込む必要がある。合意が確認されれば、リスク選好が急速に回復し、ドルの安全資産としての地位が相対的に低下、キウイなど商品通貨の押し上げにつながりやすい。WTI原油先物は今週、地政学的緊張の緩和期待を背景に先行き楽観がにじみ、2%下落して1バレル88ドル前後まで低下している。
ニュージーランドの基礎的な景気環境も慎重にみる必要がある。直近では、中国の5月鉱工業生産が前年比+4.9%と予想をやや下回ったほか、最新のグローバル・デイリー・トレード(GDT)オークションでは価格が1.3%下落した。これらはニュージーランドの主要輸出の見通しを抑制し、NZドルのファンダメンタルズ面での強さを限定する。
このように触媒が鋭く相反するなか、今後数週間について単純な方向性の見立ては取らない。コールとプットを同時に買うオプションのストラドル戦略を用い、上下いずれの方向であってもブレイクアウトに備える。FRBの政策要因であれ地政学的な打開であれ、大きな価格変動が生じた場合に収益機会を得る狙いだ。
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