BNYのiFlowデータによると、市場がFOMCを見据える中で、米ドル需要は「安全資産需要(リスク回避)」よりも「金利見通し」に連動する度合いを強めている。こうした材料の変化はドルが底堅さを増す局面で進んでおり、レポートは、マーケットがFRBに関する別のナラティブを採用するまで、足元のフロー・ダイナミクスが続く可能性が高いと指摘する。
顧客フローでは、カナダドルと豪ドルがネットで売り越しとなる一方、買いが入っているのは北アジアの一部通貨に限られるという。さらに、G10全体でドルヘッジの巻き戻しが続いており、ポジショニングが防御的需要というより金利感応度の高い要因で形成されているとの見方を補強している。
ドル高はFRB期待が主因、資源国通貨に下押し圧力
足元で進む米ドル高は、安全資産への逃避というより、FRBの政策見通しに基づく動きとみられる。直近の米指標では、2026年5月の雇用者数が市場予想を上回る21.0万人増となったほか、コアインフレ率も3.2%と粘着的に推移しており、FRBがこの夏に利下げへ踏み切りにくいとの見方を支持している。この流れは今後数週間、ドル相場の下値を支える要因となりそうだ。
ドルヘッジの巻き戻しが続くことを踏まえると、トレーダーは「横ばい〜ドル高」で恩恵を受ける戦略を検討すべきだろう。満期が7月下旬または8月のドル指数(DXY)のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)プットの売りは、プレミアム獲得手段として有効になり得る。このポジションは、ボラティリティ低下と、急激なドル安が起きないことから収益機会が生まれる。
カナダドルと豪ドルの弱含みは、フローデータで一貫したネット売りが確認されることから、当面続く公算が大きい。直近では原油価格が8%下落し、鉄鉱石先物も過去四半期で10%下落しており、資源国経済の先行きを曇らせている。ドルに対するこの乖離は、さらに拡大すると見込む。
これに対応する手段としては、AUD/USDのプット購入が下落局面を直接狙うポジションとなる。豪準備銀行(RBA)は利上げを一旦見送る姿勢を示しており、中国景気減速による需要への逆風も重なる中、豪ドルは下方向が相対的に意識されやすい。第3四半期満期のオプションに機会があるとみる。
政策スタンスの分岐を背景に、北アジア通貨で選別的な機会
同時に、北アジアの一部通貨には選別的な買いが観測され、とりわけ円が注目される。日銀は最近、超緩和的金融政策からの離脱に向けたより具体的な動きを示唆しており、タカ派的なFRBとの間で明確な政策スタンスの分岐が生じている。この綱引きはUSD/JPYの緊張を高めている。
米国と日本の政策対立は、USD/JPYのボラティリティ上昇局面を示唆する。トレーダーは、同一行使価格・同一満期のコールとプットを同時に買うロング・ストラドルの活用が考えられる。この戦略は、中央銀行の動きを市場が織り込む過程で、いずれの方向でも大きな価格変動が生じた場合に利益獲得を狙える。
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