EUR/USDは1.1622まで上伸したものの、1.1620を上回って維持できず、その後反落して1.1590で取引を終えた。モメンタムの鈍化を背景に、上昇率は0.19%にとどまった。目先の値動きは保ち合いが見込まれ、レンジは1.1570〜1.1610が想定される。
今後1〜3週間では、1.1555を維持する限り上方向バイアスは残る一方、1.1650は強いレジスタンスとして意識される。2026年7〜9月期初にかけては、1.1555〜1.1750のレンジ相場を基本シナリオとし、下限の1.1555の方が脆弱な境界と位置付けられる。ここを割り込めば、週足サポートゾーンである1.1390〜1.1410方向への下押し余地が生じ得る。市場スナップショットは2026年6月5日付で、EUR/USDの参照水準は1.1635。
保ち合いの兆候とファンダメンタルズ要因
ユーロの上昇モメンタムは、1.1620水準の上抜けに苦戦する中で鈍化している。これは、今後数週間の上値が1.1650のレジスタンス近辺で抑えられやすいとの見方を裏付ける。足元では、ペアは保ち合い局面に入りつつあるようにみえる。
こうした値動きは、ユーロ圏インフレ率が2.4%へ小幅に減速したとの最近のデータとも整合的で、欧州中央銀行(ECB)への引き締め圧力を弱めている。加えて、先週公表された米小売売上高が市場予想を上回り、ドルを下支えしている。これらの要因がEUR/USDの上値を抑える材料となっている。
ボラティリティ低下局面でのレンジ戦略
この見通しを踏まえると、1.1650のレジスタンス水準以上の権利行使価格のコールを売る戦略は有効と考える。想定される保ち合いと、上昇局面が持続しにくい点を収益機会として取り込む狙いだ。リスクを限定しつつ、横ばい〜下方向の値動きから収益化を図る手段として、ベア・コール・スプレッドも選択肢となる。
一方、1.1555のサポートは「分岐点」として注視が必要だ。この水準を明確に下抜ければ、モメンタムの転換を示唆し、目先の上方向バイアスは無効化される。ヘッジまたは1.1400近辺への下落を見込む手段として、1.1555を下回る権利行使価格のプット買いを検討する余地がある。
この種の保ち合いは、2024年10〜12月期に見られた相場展開(数週間にわたり約200pipsの狭いレンジで推移)を想起させる。当時はインプライド・ボラティリティが低く、ストラングル売りやアイアン・コンドルといった戦略が機能しやすかった。足元でも同様の環境に移行しつつあり、「動かないこと」からの収益化が主眼となる局面に入り得る。
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