米国とイランの緊張緩和を受けて原油主導のインフレ・金利ショックが巻き戻され、金は約5%反発した。今回の動きによりエネルギー価格と長期金利による圧力はいったん和らいだものの、FOMCを控えて短期的な上昇ペースは鈍化する可能性がある。市場の注目はヘッドラインから、米・イラン合意の具体的な内容へと移りつつある。追加上昇は、原油の軟化、金利低下、そしてFRBのタカ派的な再織り込みがピークアウトしたことを示すより明確な証拠に左右される見通しだ。
テクニカル面では、上値抵抗として4,394が意識される。これは2026年の高値から安値に対する23.6%フィボナッチ戻しに当たる。次いで4,450は200日移動平均線(DMA)、4,580は50日移動平均線(DMA)と重なる。下方向の圧力を弱めるには、これらの水準を上回る持続的な回復が必要とされ、達成できなければ反発は戻り局面にとどまる可能性がある。下値支持は4,200および直近安値の4,024が挙げられ、木曜のFOMCは金利見通しの次のカタリストとして位置付けられる。
地政学・マクロ環境の変化を踏まえた金の見通し
米国とイランの緊張が後退するなかで、金は約5%反発した。これにより原油価格の上昇圧力や、サプライズ利上げへの警戒感はやや後退した。ただし、今週の米連邦準備制度理事会(FRB)会合が近づくにつれ、この上昇は勢いを失う可能性があるとみている。
当方のカレンダーで最重要イベントは木曜のFRB発表である。金が本格的に上値を伸ばすには、中央銀行による積極的な利上げ局面がピークを打ったことを示す、より明確なシグナルが必要だ。発表前の不確実性を踏まえると、ストラドルなど、オプションを用いてボラティリティを狙う戦略は慎重な選択肢となり得る。
主要ドライバー:原油、利回り、テクニカル水準
インフレ懸念の主要要因である原油価格も注視している。WTI原油は過去2週間で1バレル95ドル超から約87ドルへ下落し、金の下支え要因となった。金の上昇が持続するには、原油が安定するか、さらに軟化する展開が望ましい。
もう一つの重要要素は債券利回りだ。米10年国債利回りは直近高値の4.75%から足元では4.50%前後へ低下しており、利息を生まない金の相対的な魅力を高めている。FOMC後に利回りが一段と低下すれば、金にとって強い強気シグナルとなる。
材料が整えば、まずは上値抵抗の4,394、続いて200日移動平均線近辺の4,450を明確に上抜ける動きを確認したい。これらの水準を上回れば、次の抵抗である4,580を視野にコールオプションの買いを検討する。下落圧力が後退していることの確認材料になるためだ。
一方で反発が失速した場合、4,200近辺には強いサポートがあるとみる。これを下回れば弱気シグナルとなり、直近の反発が一時的な戻りに過ぎなかった可能性を示唆する。その場合、保有ポジションのヘッジ、または直近安値4,024への再接近を狙い、プットオプションの購入を検討する。
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