USD/JPYは火曜の欧州時間に小幅安となり、日銀の金融政策決定を受けて円が相対的に強含むなか、160.25近辺で推移した。日銀は政策金利を25bp引き上げて1%とし、インフレ率が目標を上回って推移するとの見通しを示したうえで、引き締めバイアスの継続を示唆した。背景では、米ドルは水曜の米連邦準備制度理事会(FRB)決定を前にボラティリティ上昇に備える展開で、FRBは4会合連続で金利を3.50%~3.75%に据え置く見通し。焦点はケビン・ウォーシュ議長の発言に移っている。
テクニカル面では、同通貨ペアは160.34近辺でもみ合い、20日指数平滑移動平均線(EMA)の159.77を上回って推移する限り、短期的な強気基調を維持している。RSIは60.42で、買われ過ぎ水準には届かないもののプラス圏を保つ。下値支持は20日EMAの159.77で、日足終値でこれを割り込めば、5月20日安値の158.60方向へ下押し余地が広がる。一方、上値では4月30日高値の160.73を上抜ければ、161.00が視野に入る。
ファンダメンタルズの変化とボラティリティ見通し
日銀が政策金利を1%へ引き上げ、追加利上げも示唆したことで、円を巡るファンダメンタルズは変化した。当社は、これまでドル優位を支えてきた日米の政策スタンスの乖離が縮小しつつあり、新たな機会が生まれているとみる。この変化は、円に新たな強さを与え、USD/JPYの一段高を抑制し得ることを示唆する。
今週のFOMCは重要なイベントリスクであり、ボラティリティの急上昇が見込まれる。オプション市場のインプライド・ボラティリティは足元で1カ月物が9.5%近辺にあるが、ウォーシュ議長の発表に向けて上昇する可能性が高い。トレーダーは、方向性を当てにいかず上下いずれの大きな値動きにも対応できるストラドルなど、オプション買いの活用を検討すべきだ。
想定シナリオ別の売買戦略
日銀のタカ派スタンスを踏まえると、円高(=USD/JPY下落)に備えるポジショニングに妙味があるとみる。重要な分岐点として20日移動平均である159.77に注目したい。同水準を明確に割り込めば、ロングポジションの巻き戻しが急速に進む恐れがあり、158.60をターゲットとするプットオプション、またはプットスプレッドが有効な戦略となる。
もっとも、短期トレンドは依然として上向きであり、FRBが想定以上にハト派的となれば、モメンタムが上方向へ加速する可能性もある。直近高値の160.73を上抜ければ、心理的節目の161.00が視野に入る。このシナリオでは、上昇余地を取り込みつつリスクを限定する手段として、コールオプションの活用を想定する。
USD/JPYロングにとっては、キャリートレードの巻き戻しが主要リスクとして浮上している。歴史的に、日銀が緩和から転じた局面(過去の局面で観測されたような局面)では、巻き戻しが急速かつ大きく進行し、過去のフラッシュクラッシュにも似た急変を招くことがある。日本の金利が1%となったことで、円を借りてドルを買う取引の妙味は大きく低下する。
したがって、向こう数週間の戦略としては、不確実性の高まりをオプションで管理する方針とする。160.00ストライク近辺でプットとコール双方の建玉が積み上がっており、市場がブレイクに備えていることを示唆する。トレーダーには、急なセンチメント変化に備えて資本を守りつつ値動きに乗る手段として、リスクリバーサルやストラングルといった戦略の活用を推奨する。
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