AUD/USDは月曜日、10日ぶり高値となる0.7090から上値を切り下げたものの、プラス圏を維持し、0.7070近辺、のちに0.7072で取引された。前段の上昇は米国とイランの和平合意発表を受けたもので、原油安と時期を同じくし、リスクセンシティブな豪ドルを支援した。もっとも、今週は中央銀行イベントが集中する日程を前に、値動きは次第に抑制的となった。市場は火曜日の豪準備銀行(RBA)決定と水曜日の米連邦準備制度理事会(FRB)を待っている。
テクニカル面では、AUD/USDは6月上旬高値から引いた下降トレンドラインを上回って推移している一方、相対力指数(RSI)は中高位圏を維持し、MACDもプラス圏にある。上値抵抗としては、まずフィボナッチ50%戻し付近の0.7090、次いで61.8%戻しの0.7113近辺、さらに0.7145が広めの上値メドとなる。これは6月4日・5日の高値が78.6%戻しと重なる水準でもある。下値支持は0.7060近辺と0.7050近辺に位置し、下方では金曜日安値の0.7020、さらに2カ月ぶり安値近辺の0.6980が意識される。
Fundamental Drivers And Volatility Outlook
米国・イラン和平合意は、リスク低下(ディリスキング)をもたらす大きなイベントであり、豪ドルのような景気感応度の高い通貨に追い風となりやすい。0.7090までの初動の上押しは、この強気センチメントを裏付ける。ただし、今週はRBAとFRBがいずれも開催されるため、インプライド・ボラティリティは高止まりすると見込む。
上向きモメンタムを踏まえ、0.7100をやや上回る行使価格のAUD/USDコールオプションの買いを検討する。これにより、中央銀行決定後のブレイクアウト局面に参加しつつ、下方リスクは支払プレミアムに限定できる。新FRB議長がハト派シグナルを示すことが、こうした動きの主因になり得る。
見通しの根拠として、豪州の2026年1-3月期インフレではコアCPIが粘着的な3.7%となり、RBAに対してタカ派姿勢の維持圧力が残っている。一方、米国の2026年5月雇用統計(非農業部門雇用者数)は増勢が16.0万人に鈍化し、FRBがより慎重になる余地を示唆する。こうした政策スタンスの乖離は、中期的にAUD/USDを下支えする材料となる。
Option Strategies And Historical Context
強気バイアスはあるものの、いずれの中央銀行からも市場を動かすサプライズが出るリスクは現実的だ。このため、重要な0.7050のサポート(トレンドライン)を下回る行使価格のプロテクティブ・プットの活用も検討している。想定外にタカ派的なFRB発言、あるいは予想以上にハト派的なRBA声明に備えるコスト効率の高いヘッジとなる。
AUD/USDの1週間インプライド・ボラティリティは足元で9.5%近辺で推移しており、主要イベントを巡る不確実性を反映している。これにより、単純なオプション買いは相対的に割高になりやすい。そこで、初期コストを抑えつつ、0.7145のレジスタンスゾーンへの上昇を狙う手段として、ブル・コール・スプレッドも評価対象とする。
2022〜2023年を振り返ると、市場が「RBAの政策軌道がFRBより攻撃的(タカ派)だ」と認識した局面でAUD/USDは大きく上昇した。仮に同様の構図が再現され、RBAがしっかり据え置き、かつFRBがハト派転換を示せば、持続的な上昇につながる可能性がある。両中銀の声明文、とりわけフォワードガイダンスの変化を注視したい。
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