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リスク選好が維持され円安進行、市場は日銀の利上げと内田副総裁の見解に警戒

by VT Markets
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Jun 15, 2026

月曜の欧州市場で円は主要通貨に対して弱含んだ。スイスで金曜日に署名される見通しとなった米国・イランの和平枠組み合意を受け、リスク選好が市場全体で維持されたことが背景。USD/JPYは序盤の下げを埋め、160.15近辺とほぼ横ばい。一方、S&P500先物は約1.3%上昇し、高リスク資産への需要を示唆した。

日銀が火曜日に0.25%ポイントの利上げで政策金利を1%へ引き上げるとの国内予想は円の支援材料にならず、市場の関心は決定後に内田真一副総裁が示す政策ガイダンスに向かった。年内追加利上げの見通しは、中東情勢を受けたエネルギー価格の上昇や、家計のインフレ負担を和らげるための財政政策の緩和方針によって抑制されている。テクニカル面では、USD/JPYは20日指数平滑移動平均(EMA、159.69)を上回って推移し、日足RSIは58近辺。下値支持は159.70、その次に158.60。上値抵抗は160.73に位置する。

日銀の政策決定とガイダンスが市場センチメントを左右

明日、2026年6月16日の日銀金融政策決定を控え、市場の焦点は想定される0.25%ポイントの利上げを超えて移りつつある。最大の注目は内田副総裁の記者会見であり、そのガイダンスが年後半の相場のトーンを決める公算が大きい。当社はハト派的なメッセージ、すなわち追加引き締めの一時停止を示唆する内容を予想しており、円は上値が重い状態が続く可能性がある。

本通貨ペアを動かす最大要因は依然として金利差であり、この構図は当面変わらない見通しだ。米FF金利が5.50%で高止まりするなか、日銀が1.00%へ引き上げても、キャリートレードを促す巨額の金利差はほとんど縮まらない。このファンダメンタルズのミスマッチが、利上げによる一時的な円高圧力を上回る可能性が高い。

ポジショニング、介入リスク、ボラティリティ戦略

今後数週間の戦略としては、USD/JPYの上昇に備える取引が有利とみる。重要な上値抵抗である160.73を上回る行使価格のコールオプション購入に妙味があり、数十年ぶり高値の更新を狙う。中銀イベント前に最大損失を限定しつつ上方向の余地を取り込める。

ただし、日本当局による直接介入リスクには警戒が必要だ。USD/JPYが前回160円台を突破した局面では、2024年4月下旬から5月上旬にかけて財務省が大規模な円買い介入を実施した経緯がある。この前例は、急激な上振れが公的な抑制に直面し得ることを示しており、ポジションサイズ管理が不可欠となる。

日銀のガイダンスを巡る不確実性は、ボラティリティ急上昇を招きやすい環境を作る。方向性に中立なトレーダーは、明日の発表後に上下いずれかへ大きく動いた場合に収益化できるロング・ストラドルなどのオプション戦略を検討し得る。USD/JPYの1週間物オプションのインプライド・ボラティリティはすでに11.2%へ上昇しており、市場が大きな値動きを織り込み始めていることを示す。

総じて、リスク選好の改善も円安見通しを後押しする。S&P500先物の上昇や米・イラン和平枠組み合意といった良好な市場ムードは、安全通貨としての円需要を低下させる。財務省データによれば、2026年6月第1週は海外投資家による日本国債の売り越し(資金流出)が継続し、合計で1.2兆円超に達した。これは円弱気シナリオを一段と補強する材料となっている。

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