米・イラン和平合意でスイスフラン買い、USD/CHFは6月安値 FOMC控え市場は様子見

by VT Markets
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Jun 15, 2026

USD/CHFは週明け月曜の欧州早朝取引で0.7930近辺まで下落し、6月5日以来の安値を更新した。米ドルがスイスフランに対して軟化した格好だ。背景には、米国とイランが「和平合意」の枠組みに到達したことを双方が確認し、正式な署名式が金曜日にスイスで予定されていることがある。

注目は水曜日の米連邦準備制度理事会(FRB)の政策決定へ移る。市場では、政策金利を3.50%〜3.75%の目標レンジで据え置き、「様子見」姿勢を維持すると見込まれている。市場の織り込みにも変化が出ており、CMEのFedWatchツールでは12月利上げ確率が約64%と、先週の69%から低下した。今後の方向感は、新FRB議長ケビン・ウォーシュの記者会見およびガイダンスが左右しそうだ。

セーフヘイブン(安全資産)フローとエネルギー市場への影響

米・イラン和平合意がリスクオン心理を促す一方で、欧州の代表的な安全資産としてスイスフランが選好され、フラン高が進んでいるとみられる。USD/CHFが即座に0.7930近辺まで下落したことは、この流れに勢いがあることを示唆する。地政学的緊張が大きく後退するなか、同通貨ペアのプットオプション購入を検討し、10年以上前に見られたマルチイヤー安値水準に近づく展開をターゲットとしたい。

本合意の最大の波及はエネルギー価格にあり、インフレ圧力を弱めることでFRBの政策運営を一段と難しくする。WTI原油は早朝取引ですでに4%下落し、1バレル70ドルを割り込んだ。市場がイラン産供給の復帰を織り込み、2015年のJCPOA(包括的共同行動計画)合意後に見られた価格下落を想起させる動きだ。このデフレ方向のショックは米ドルに弱材料となるため、米ドル建て先物の売りも視野に入る。

FRB政策の含意と売買戦略

今週水曜日のFOMCは最大のイベントとなる。とりわけ、新議長ケビン・ウォーシュにとって最初の本格的な試金石である。和平合意は利上げの可能性を低下させる一方、米コアCPIは直近で3.6%と目標を上回って高止まりしており、FRBが全面的にハト派へ転じることを阻んでいる。VIX(恐怖指数)が2年ぶり低水準の12.5へ低下していることを踏まえると、割安なオプションを使ってUSD/CHFのストラドルを組成し、ウォーシュの記者会見後に上下いずれにも大きく動く可能性に備える戦略が有効だ。

米金利はスイス国立銀行(SNB)の政策金利1.25%を大きく上回っているにもかかわらず、ドルはフランに対して下落している。この反応は、足元では単純な金利差より地政学要因を市場が重視していることを示す。ただし、依然として大きい利回り格差はクッションとして働きうる。USD/CHFのアウト・オブ・ザ・マネーのコールオプションを売却してプレミアムを得つつ、ドル反発があっても上値は限定的になるとの見立てで臨むことが考えられる。

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