オーストラリアドルは上昇し、AUD/USDは前日小幅安となった後、週明け月曜のアジア取引で約0.5%高の0.7080前後となった。市場では、豪準備銀行(RBA)が火曜の6月会合で動く可能性は低いとの見方が広がり、8月利上げ観測も後退。関心は6月24日発表予定の5月消費者物価指数(CPI)に移っている。RBAのインフレ目標は2~3%。AUDのより広範な変動要因としては金利差、豪貿易収支、中国経済の状況などが挙げられる。交易条件では鉄鉱石が引き続き中核で、2021年データに基づけば年間1180億ドルと豪州最大の輸出品目とされる。
米ドルは下落した。米国とイランが紛争終結で合意したとの報道を受けて安全資産需要が後退し、米政府とイランは合意が金曜に発効すると表明した。米国は合意署名後、イラン港湾に対する海上封鎖を解除し、ホルムズ海峡を再開するとした。英国、フランス、ドイツ、イタリアは、イランの核開発計画に関連する制裁の解除に応じる用意があると述べた。CMEフェドウオッチによれば、12月の米連邦準備制度理事会(FRB)利上げの市場織り込み確率は約27%と、1週間前の40%から低下した。
Australian Dollar Strength Amid Geopolitical and Central Bank Developments
米・イランの和平合意でリスク選好ムードが強まるなか、豪ドルは米ドルに対して上昇し、AUD/USDは0.7080水準へと押し上げられている。地政学的緊張の後退によりドルの安全資産需要が弱まり、豪ドルに短期的な追い風となった。さらに、FRBの利上げ観測が後退していることも支援材料で、12月利上げの市場確率は足元で27%まで低下している。
もっとも、この豪ドル高は一時的にとどまる可能性があるとみている。RBAは明日予定される会合で政策金利を据え置く見通しが大勢で、最近の国内指標もよりタカ派的な姿勢を正当化するほど強くない。今後は、6月24日に公表される重要な5月CPIに注目が集まり、RBAの次の一手を大きく左右することになる。
Risks and Trading Strategies for AUD/USD
警戒材料として、中国の足元の経済指標は強弱まちまちで、5月の鉱工業生産は前年比4.9%増と、市場予想(5.2%)をわずかに下回った。中国は豪州最大の貿易相手国であるため、中国景気の減速は豪州輸出への需要を抑え、豪ドルの上値を抑制し得る。鉄鉱石価格は足元で1トン当たり115ドル超で安定しているものの、中国需要が鈍れば下押し圧力にさらされる可能性がある。
デリバティブ投資家にとっては、今後数週間に向けて興味深い局面となる。地政学リスクの低下は、インプライド・ボラティリティの低下を通じてオプションの割安化につながりやすい。この環境を利用し、CPI発表に向けてAUD/USDの反落リスクに備えるポジション構築の余地があるとみる。
具体的には、インフレ指標が弱ければ下落する可能性に備え、7月初旬満期のプットオプションを購入して下振れをヘッジする戦略が考えられる。あるいは上昇余地が限定的とみる向きには、0.7200近辺の権利行使価格のコールオプションを売却してプレミアムを獲得する手法も有効となり得る。この戦略は、今後数週間にわたり同水準が上値抵抗として機能し、相場がその下で推移すれば収益機会となる。
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