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米インフレでドル高進行、豪ドル/米ドルは下落 金融政策の乖離で下振れリスクも

by VT Markets
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Jun 12, 2026

AUD/USDは金曜日のアジア取引で0.7030近辺へと小幅に下落した。5月の米卸売インフレが市場予想を上回り、米ドルが堅調となったことが背景にある。この後は、6月のミシガン大学消費者態度指数(速報値)に注目が移り、足元のドル高の持続性を試す材料となり得る。

米労働省労働統計局(BLS)によれば、5月の生産者物価指数(PPI)は前年比6.5%上昇と、4月の5.7%から加速し、市場予想(6.4%)も上回った。前月比でもPPIは1.1%上昇し、予想(0.7%)を上回った。CMEのFedWatchツールによると、市場はその後、12月に0.25%の利上げが行われる確率を43%まで織り込み、1カ月前の約14%から大きく上昇した。豪州では、豪準備銀行(RBA)が火曜日に次回の政策金利を発表する予定で、主要4行は据え置きを予想する一方、ウエストパックは8月に25bpの利上げを見込んでいる。

金融政策の方向性の乖離が豪ドルの重しに

現在日付(2026年6月12日)を踏まえると、AUD/USDは下押し圧力に直面し、0.6580近辺で推移しているとみられる。背景には、米国と豪州の金融政策見通しの乖離拡大がある。FRBに対する見通し修正を受けて、米ドルは強含んでいる。

直近のデータでは、FRBが重視するインフレ指標である米コアPCEが、5月に前年比2.9%と粘着性を示し、予想の2.8%を上回った。インフレの高止まりにより、FRBの「高金利の長期化」スタンスが一段と強固になっている。CME FedWatchツールでは、2026年末までの利下げ確率は20%にとどまり、わずか1カ月前に織り込まれていた50%から大きく低下した。

一方、豪州経済には減速の兆しが見られ、第1四半期のインフレは想定以上に鈍化し、足元の雇用指標も軟化している。市場では、RBAが来週の会合で金利を据え置くとの見方が優勢で、早ければ2027年初に利下げが意識され始めている。米国の見通しとは対照的であり、豪ドルにとっては逆風となりやすい環境だ。

デリバティブ取引者への示唆と戦略

デリバティブ取引者にとっては、今後数週間のAUD/USD続落を想定したポジショニングが示唆される。リスクを限定しつつ下落局面での収益機会を狙える手段として、AUD/USDのプットオプション購入が明確な戦略となり得る。また、豪ドルのロング(買い)エクスポージャーを保有している場合のヘッジ手段としても機能する。

こうした局面は、FRBの急速な利上げで米ドル高が持続した2022〜2023年の環境を想起させる。歴史的に、これほど明確な政策乖離が生じると、トレンドは数カ月単位で継続する傾向がある。そのため、弱気バイアスを維持しつつプレミアム獲得を狙う戦略として、アウト・オブ・ザ・マネーのコール・スプレッドの売りも有効になり得る。

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