英ポンドは木曜日、ほぼ横ばいで取引を終えた。GBP/JPYは214.70近辺で、上昇率は約0.04%にとどまった。市場心理は一時揺れたものの、ドナルド・トランプ米大統領が攻撃の中止を決め、合意の可能性に言及したことで、その後は改善した。値動きはクロスを保ち合い局面にとどめており、上値追いが続かなかった背景には、USD/JPYに対する日本当局の介入警戒がある。仮に介入が実施されれば、円は他のG8通貨に対しても上昇し得る。
同ペアはじり高となっているが、6月5日の直近サイクル高値215.61は上抜けていない。相対力指数(RSI)はなお上向きながらも、迷いのシグナルも示している。6月10日高値215.24を上回れば、再び215.61が意識され、その先は年初来高値216.60が視野に入る。下方向では、214.23〜214.10付近に集中する20日・50日単純移動平均(SMA)を割り込めば214.00が見えてくる。さらに下には、6月8日のスイング安値212.93、100日SMAの212.67が控える。
相反するファンダメンタルズと介入リスク
GBP/JPYは、相反するシグナルを市場が消化するなか、201.50近辺で保ち合っているとみられる。英国のインフレ指標は先週、前年比3.1%と上振れし、イングランド銀行(BOE)のタカ派姿勢を維持させ、ポンドを下支えしている。一方で、日本の為替介入リスクが常に意識され、目立った上昇には明確な上値のフタとなっている。
日本の当局者は円安に明らかに神経質になっている。とりわけUSD/JPYが再び160近辺の数十年ぶり高値圏へ接近していることが背景だ。先週には鈴木財務相が「過度な為替変動」への警戒を示し、市場への直接的な牽制と受け止められる。2022年後半および2024年の介入後に見られた急激かつ突発的な円高を踏まえると、ここで強気に傾き過ぎることには引き続き慎重であるべきだろう。
こうした緊張は政策格差の拡大によって増幅されている。英国10年国債(ギルト)と日本国債(JGB)の利回り格差は足元で400bp(4%ポイント)を超えている。このファンダメンタルズ面の圧力は、資金を継続的にポンドへ向かわせ、同ペアを緩やかに押し上げる要因となる。市場は事実上、日銀の「円安けん制」の本気度を試しており、リスクの高い環境が形成されている。
デリバティブへの示唆と主要テクニカル水準
デリバティブ取引の観点では、上昇方向への単純なエクスポージャー購入は危険が大きい。リスクを限定できるオプションの活用が望ましく、例えば今後30〜45日で満期を迎えるGBP/JPYプットを購入し、急落に備えたヘッジを構築する戦略が考えられる。直近高値202.80を上回る水準でコール・スプレッドを売却し、上値が限定的との見方からプレミアムを得る方法もある。
注目すべき水準は、直近の5月高値202.80で、当面のレジスタンスとして機能している。50日移動平均線(200.50近辺)を明確に下抜ければ、売り手が主導権を握ったシグナルとなり得る。その場合、198.00のサポートゾーンへ向けて、より速い下落局面が開ける可能性がある。
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