市場はタカ派的なECB決定を織り込みつつあり、預金ファシリティ金利の25bp引き上げ(2.25%)はすでに短期金利市場の価格に反映されている。9月までに追加で25bpの利上げが織り込まれ、デリバティブが示唆する引き締め幅は来年初にかけて約75bp。これはスタグフレーション的ショックを前提にしたパスとして位置付けられる。7月会合分の織り込みは8bpにとどまり、新たなガイダンスがなければ追加のリプライシング余地は限られる。
金利面では、この環境が短期のユーロ・スワップ金利上昇による単一通貨の下支え余地を制約する。為替では、EUR/USDは1.1565/75近辺で上値抵抗が意識され、米PPIが強めに出れば1.1500方向への脆弱性が高まりうる。
Market Pricing And Euro Upside Risks
欧州中央銀行(ECB)による25bpの利上げで政策金利が2.25%となることが確認された状況下で、市場はすでにこれを織り込んでいるとみられる。短期金融市場は、今後1年で合計75bpの引き締めを織り込んでいる。この強気(タカ派)な織り込みは、ユーロが一段と上昇するためのハードルを高くしている。
この前提のもと、EUR/USDの上値余地は1.1565/75のレジスタンス近辺で抑えられると判断する。上昇余地の限定性を活用する戦略として、アウト・オブ・ザ・マネーのコール売り、またはベア・コール・スプレッドの構築を検討したい。イベント通過でインプライド・ボラティリティは低下しやすく、オプション売り戦略の妙味が高まる可能性がある。
Downside Vulnerability And Option Strategies
ユーロの下振れリスクは高まっている。特に、直近の米経済指標で5月の生産者物価指数(PPI)が前月比0.5%上昇と市場予想を上回ったことが、ドル高圧力を補強し、EUR/USDを1.1500方向へ押し下げやすくしている。向こう数週間の下落に備えるヘッジとして、プロテクティブ・プット(保険的なプット購入)は合理的な選択肢となり得る。
ユーロ圏のコア・インフレは5月に2.8%と粘着的である一方、状況は過去の局面と類似している印象がある。歴史的には、市場が政策引き締めのピークを完全に織り込むと、通貨はその後に一段と上昇しにくくなることが多い。足元のタカ派度合いは、ユーロ・センチメントの「高水準到達点(ハイ・ウォーター・マーク)」となる可能性があるとみている。
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