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金価格、CPI鈍化で4,100ドル近辺でもみ合い タカ派的なFRB姿勢とホルムズ海峡リスクが上昇を抑制

by VT Markets
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Jun 11, 2026

金は欧州時間序盤に1オンス=4,100ドル近辺で取引され、2025年11月以来の安値を付けた後の小幅な反発を延長しようとしている。米コアCPIの鈍化でインフレ懸念が後退し、米ドルが軟調に推移したことが金相場の下支えとなった。一方で、FRB(米連邦準備制度理事会)のタカ派姿勢観測や米国とイランの敵対行為再燃が上値を抑え、ドルには底堅さをもたらしている。きょうは米生産者物価指数(PPI)が予定されており、FRBの政策見通しを占う材料として注目が移る。中東情勢の進展も価格変動を大きくする要因となりそうだ。

データ面では、5月のコアCPIは前月比0.4%から0.2%へ減速し、前年比は2.9%となった。総合CPIは前年比4.2%と、4月の3.8%から加速。エネルギーコストが23.5%上昇したことが押し上げ要因となった。イランは追加の米軍攻撃を受けたとしてホルムズ海峡を封鎖したと発表し、原油は2カ月ぶり安値から反発、インフレ懸念を再燃させた。市場では年内利上げ確率を70%と織り込んでいる。テクニカル面では、200日SMA割れと下降チャネルが弱気バイアスを示唆。水準として4,257.39ドル、4,446.37ドル、4,572.06ドルが挙げられる。MACDはマイナス圏にとどまり、RSIは売られ過ぎを示している。

タカ派FRB、エネルギーコスト、地政学リスクが金を圧迫

足元の金の反発は、本格的な反転というより「戻り売り」の好機と見ている。コアCPIの鈍化は一時的な安心材料にすぎず、タカ派FRBとエネルギーコスト上昇という大きな逆風が金に重くのしかかっている。市場の関心はインフレに対するFRBの反応に集中しており、その環境下では金の投資妙味が薄れやすい。

中東の対立は原油価格を押し上げ、状況をさらに複雑にしている。世界の石油消費の約20%が通過する要衝であるホルムズ海峡の封鎖は深刻なインフレ要因で、FRBをタカ派路線にとどめる可能性が高い。地政学的緊張は時に安全資産として金買いを誘発するが、同時にインフレ懸念を通じて米ドルを押し上げ、貴金属にはより大きな下押し圧力となり得る。

同様の構図は過去にも見られた。特に2022~2023年の積極的な利上げ局面では、FRBがインフレ抑制のために政策金利を5%超引き上げ、金は無利息資産としての保有コストが上昇したことで大きく苦戦した。市場が年内追加利上げを70%織り込むなか、今回も歴史が繰り返される可能性がある。

取引戦略:弱気バイアスとデリバティブ活用

こうした見通しを踏まえ、デリバティブ取引では下落局面を見込んだプットオプションの購入を検討すべきだと考える。これにより下方向の値動きから利益機会を得つつ、突発的なヘッドラインで急騰した場合の損失を限定できる。RSIが売られ過ぎを示しているとはいえ、他のテクニカル指標が大きく悪化していることは弱気スタンスを支持する。

4,250ドルのレジスタンス水準に向けた戻りは、新規のショートを構築する好機と捉えたい。上値余地が限られるとの見立てから、コールスプレッドの売りでプレミアム収入を狙う戦略も有効となり得る。きょう発表の米PPIは重要で、高い結果となれば弱気見通しを一段と補強するだろう。

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