EUR/GBPは木曜日、0.8625近辺で推移し、2週間ぶり安値の0.8620を数pips上回る水準で狭いレンジ取引となった。市場は欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定を待っている。ECBは概ね25bp(ベーシスポイント)の利上げが見込まれており、2023年9月以来の引き上げとして、エネルギーショックに起因するインフレ圧力の抑制を狙い、預金ファシリティ金利を2.25%へ引き上げる公算が大きい。今回の動きはほぼ織り込み済みのため、注目はクリスティーヌ・ラガルド総裁の記者会見およびフォワードガイダンスの変化に移る。追加引き締めへのコミットメントが示されなければ、ユーロは上値の重い展開が続く可能性がある。
地政学リスクは、両通貨にとって引き続き逆風となっている。中東での3カ月にわたる紛争が激化する中、米軍はイランに対する新たな攻撃を実施し、テヘランも報復として米国資産を標的にした。さらにドナルド・トランプ氏は、イランが合意に署名しない場合は追加攻撃を警告した。英国では金曜日の統計に焦点が移り、4月GDPは3月の0.3%成長から反転し、前月比0.1%の減少が予想される。製造業生産は0.2%減が見込まれ、鉱工業生産は前回0.2%減から持ち直して0.1%増が予想されている。
ECBの政策動向とユーロ圏センチメント
EUR/GBPは0.8600近辺で狭いレンジ内推移が続き、神経質なもみ合い局面を示している。市場は、欧州中央銀行(ECB)が先週実施した利下げ(2019年以来初)を消化している最中であり、これにより預金ファシリティ金利は3.75%となった。この措置は市場の焦点をイングランド銀行(BOE)の今後の政策判断へと移し、緊張感を伴う静けさを生んでいる。
ECBの利下げはすでに市場に織り込まれているため、足元ではラガルド総裁のフォワードガイダンスが注目点となる。根強いサービスインフレに関する同総裁の発言は、将来の金利パスの織り込みにとって重要だ。ECBが利下げサイクルの一時停止に言及するようなシグナルが出ればタカ派的と受け止められ、ユーロを短期的に支える材料となり得る。
市場全体のセンチメントは依然として脆弱で、ユーロ・ポンドいずれに対しても積極的なポジション構築は限定されている。ウクライナ情勢の長期化は欧州の景況感を圧迫し続けており、紅海での混乱はサプライチェーンとインフレに対するリスク要因となっている。こうした地政学要因は、ボラティリティ上昇から収益機会を狙うオプション戦略への需要を引き続き下支えするとみられる。
ポンドの見通しと英経済指標
英国では、今後発表されるインフレ指標および賃金伸び率データを注視している。直近の消費者物価指数(CPI)はインフレ率が2.3%へ低下し、目標の2%に接近した一方、力強い賃金上昇が、BOEが政策金利5.25%の利下げに慎重な主因となっている。インフレ率や賃金の上振れとなる内容が示されれば、英国の利下げ時期の市場予想が秋以降へ後ずれし、ユーロに対するポンドの押し上げ要因となる可能性が高い。
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