EUR/USDは軟調地合いを維持し、NY時間序盤は1.1530〜1.1572で推移した後、1.1535で引け、前日比0.07%安となった。目先の値動きでは、まず1.1520のサポートが焦点となり、1.1500は引き続き重要な下値メド(主軸のフロア)と見なされる。上値は1.1550および1.1570にレジスタンスが位置し、戻り局面を抑える可能性がある。
1〜3週間の時間軸では、バイアスは引き続きネガティブ。1.1500は強いサポートとして機能しているが、ここを明確に割り込めば1.1445方向への下押し余地が広がる。一方、1.1585を上抜ければ下方向のシナリオは否定され、従来「強い抵抗」としていた1.1600に代わって、1.1585が重要水準として位置付けられる。なお、本アップデートは6月10日を参照し、スポットは1.1540としている。
テクニカル水準とファンダメンタルズ要因
EUR/USDの基調は弱く、今後数週間でユーロがじり安となる可能性がある。ただし、1.1500は非常に強い下値支持として機能するとみており、初期サポートは1.1520。上値は当面限定的で、レジスタンスは1.1550、より重要な水準として1.1570を想定する。
この見方は、米国とユーロ圏の経済指標の乖離によって補強される。先週公表された2026年5月の米雇用統計(非農業部門雇用者数、NFP)は+21.0万人と強い増加を示し、FRBが現行スタンスを維持する圧力を残した。一方、最新のユーロ圏HICP(消費者物価指数・調和指数)は2.1%と落ち着いた伸びにとどまり、ECBには様子見を続ける余地がある。
オプション戦略とリスク管理
トレーダーにとっては、下方向へ緩やかに進む展開から利益を得つつ、下振れリスクを限定する戦略が示唆される。適切な対応として、向こう1か月物でベア・プット・スプレッド(例:1.1550のプットを買い、同時に1.1500のプットを売る)を提案する。これによりリスクを明確化しつつ、重要サポート水準への想定された下落を狙える。
また、EUR/USDの1か月インプライド・ボラティリティは相対的に低水準の6.5%近辺で推移しており、オプション売りによるプレミアム獲得が魅力的な局面といえる。強いレジスタンス水準を十分上回るアウト・オブ・ザ・マネーのコール(例:権利行使価格1.1600)を売る戦略に妙味がある。これは、ユーロが1.1585を大きく上回る上昇を実現できない限り収益機会となる。
なお、ユーロが1.1585を上抜けた場合、弱気見通しは無効化される。同水準を新たな「強い抵抗」マーカーとして扱っており、これを上回る動きは目先の下振れリスクが後退したシグナルとなるため、弱気ポジションの解消を迫られる。それまでは、1.1500割れが次の下落局面を開き、1.1445方向への下値余地が広がる展開を想定する。
この値動きは、政策スタンスの乖離を背景に、急落ではなく低ボラティリティ下でじりじりと下落した2023年夏場の局面を想起させる。過去の事例は、強引な方向性ベットよりも、忍耐と構造化された取引が報われやすい環境であることを示唆する。したがって、急落よりも緩やかな下方ドリフトを見込む。
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