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ホルムズ海峡情勢の緊迫化で原油高・カナダドル買い、米ドル/カナダドルは下落 FRBとカナダ中銀の政策見通しの乖離が下値を抑制

by VT Markets
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Jun 11, 2026

USD/CADは、一時1.3900(週内安値とされる)から反発したものの、その流れを維持できず、木曜日のアジア時間に下落した。火曜日の年初来高値近辺を維持しつつ、1.3900台半ばをわずかに下回る水準で推移。日中の下落率は0.10%未満にとどまり、材料は強弱まちまちとなった。

イランは、米国が新たな攻撃を実施したことを受け、ホルムズ海峡を封鎖したと発表。これを背景に、原油は火曜日に付けた約2カ月ぶり安値から持ち直し、資源国通貨であるカナダドルを下支えした。一方、米ドルも伸び悩んだものの、緊張激化への警戒から安全資産需要は引き続き意識される。加えて、エネルギー価格の上昇がインフレ懸念を高め、FRBのよりタカ派的なスタンス観測を補強した。CMEグループのFedWatchツールによれば、5月CPIが前年比4.2%(3年ぶり高水準)となったことを受け、市場は年末までの利上げ確率を70%超と織り込む一方、カナダ銀行(BoC)はハト派と評されている。北米時間後半は米PPIに注目が移り、中東情勢の進展と原油動向も引き続き焦点となる。

ホルムズ海峡の緊迫化が原油とUSD/CADの変動を促進

今週の市場の主因は、ホルムズ海峡を巡る直近の緊張激化だとみている。こうした緊張は、WTI原油価格を2022年以来初めて1バレル=95ドル超へと急騰させ、カナダドルを大きく押し上げた。この状況は、USD/CADにとって強弱が綱引きとなる難しい環境を生み出している。

もっとも、この地政学的リスクの高まりは、同時に米ドルの安全資産としての魅力も高め、通貨ペアの下値を支えやすい。歴史的にみると、中東での衝突が激化する局面では、原油高局面であっても、資金が安全性を求めて米ドルに向かい、ドル高となる傾向がある。このため、短期的にはUSD/CADの急落は起こりにくいと見込む。

金融政策の乖離と市場への含意

ヘッドライン要因に加え、FRBとBoCの政策スタンスの乖離は拡大している。直近の2026年5月の米CPIではインフレ率が3.8%と粘着的で、FRBには引き締め姿勢の維持圧力がかかっている。一方、カナダでは直近のGDP統計で第1四半期の成長率が0.9%にとどまり、BoCは年末までの利下げの可能性を示唆している。

この隔たりは市場の織り込みにも表れており、CME FedWatchツールでは、夏場にかけてFRBが政策金利を据え置く確率が75%とされ、短期的な利下げ期待は後退している。これにより米国債利回りは高止まりし、USD/CADの上昇を支える主要因となっている。今後数週間にかけては、オプション市場でインプライド・ボラティリティの上昇が織り込まれるべきだと考える。

こうした強い相反要因が同時に作用するなか、USD/CADの明確な方向性に賭ける戦略はリスクが高い。上下いずれにも大きく振れやすい局面であり、ストラドルやストラングルといった「ロング・ボラティリティ」戦略が魅力的となる。地政学ニュースや今後のインフレ指標がブレイクアウトを誘発し得るため、方向を問わず大きな値動きから収益機会を狙う。

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