日本円(JPY)は米ドルに対して防戦的に推移し、5月の生産者物価が前年比6.3%と上振れサプライズとなった後も、G10通貨の中で総じて出遅れた。市場は日銀(BoJ)が来週火曜日の会合で25bpの利上げを実施することを完全に織り込んでおり、12月までに追加で25bpの追加利上げも織り込まれている。植田和男総裁が入院したとの報道は決定時の指導体制を巡る疑念を招いたものの、会合に関する市場の織り込み自体は維持された。
USD/JPYでは、値動きは「建設的」と評され、モメンタム指標も引き続き強まりつつある。相対力指数(RSI)は上昇し、テクニカル分析で一般的に注目される買われ過ぎ水準の70に接近していた。162手前では上値抵抗が限定的とみられ、トレンドが継続するなら、さらに上昇しやすい地合いが示唆された。
円安と日銀利上げ期待
日本の5月生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったにもかかわらず、日本円は対米ドルで弱含みが続くとみている。北米時間入りにかけて、円はG10通貨の中でもアンダーパフォームしている。きょう2026年6月10日時点で、USD/JPYは158.50近辺で推移している。
市場は、日銀が来週6月17日の会合で25bpの利上げを行うことを完全に織り込んでいる。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)では、この利上げの確率が95%程度と示され、年末までにもう1回の追加利上げも見込まれている。こうしたタカ派的な織り込みは、全国CPIが前年比2.9%とインフレの底堅さを示したことにも支えられている。
テクニカル見通しとオプション戦略
このモメンタムを踏まえると、USD/JPYのテクニカル面は強気基調を維持しており、162水準まで目立った上値抵抗は限られると考える。想定される上昇局面を捉えるため、期近のUSD/JPYコールの買いを検討したい。RSIの上昇は強い買い圧力を示唆する一方、買われ過ぎ圏に近づいている。
もっとも、政府・当局による為替介入リスクには警戒が必要だ。2024年後半には、レートが160を超えた局面で財務省による介入が確認された経緯がある。このため、重要な心理的節目に近づくにつれ、現物(アウトライト)のロングを保有することはリスクが高い。すでに日銀会合と介入の可能性を見込んで、1カ月物インプライド・ボラティリティは9.5%へ上昇している。
こうしたリスク管理の観点から、単純なコール買いよりもブル・コール・スプレッドを選好する。例えば、7月限で権利行使価格159のコールを買い、同時に161.50のコールを売る戦略が有効となり得る。この方法により損益が限定され、コストも抑えつつ、162手前の目標水準に向けた上昇から収益機会を得られる。
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