ギリシャの鉱工業生産の伸びは4月に急減速し、前年比2.1%増となった。前回の8.3%増と比べると、第2四半期の入り口で鉱工業活動が減速していることを示す。
この変化は、両期間の差で6.2ポイントの低下に相当する。生産はプラス圏を維持したものの、拡大ペースは前回水準から大きく鈍化した。
市場見通しへの影響
当社は、ギリシャの鉱工業生産の伸びが2.1%まで減速したことを重要な警戒シグナルとみる。前回の8.3%からの急減速は、景気のエンジンが想定以上に速いペースで冷え込んでいることを示唆する。この変化を踏まえ、市場見通しを修正し、よりディフェンシブな姿勢を取る必要がある。
このデータを受け、ギリシャ株の弱含みを想定している。特に、直近の5月の製造業PMIが49.5へ低下し、景気判断の分岐点である50を下回って「縮小」を示したためだ。当社は、向こう数週間の下落局面を見込み、アテネ証券取引所(ATHEX)総合指数のプットオプションを積極的に買い付けている。これにより、ロングポジションに対する明確なヘッジを確保しつつ、ネガティブなモメンタムを収益機会として取り込む。
ボラティリティ上昇とリスク局面での戦略
この減速が生む不確実性は、ボラティリティを押し上げる可能性が高い。ATHEXオプションのプット・コールレシオはすでに1.2まで上昇しており、他のトレーダーも下方リスクに備えたプロテクションを求めていることがうかがえる。当社は、上にも下にも大きな値動きが想定される局面では、ストラドル買いが有効な戦略だと考える。
また、国債市場にも注目している。ギリシャ10年債と独国債(ブント)とのスプレッドは140bpまで拡大した。スプレッド拡大は、ギリシャの経済安定性に対する投資家の懸念が強まっていることを反映する。ECBの支援姿勢が続く局面でも、国別リスクが再び市場で織り込まれ始めていることを示す。
過去を振り返ると、この種の急減速は市場調整に先行することが多い。2018年にも鉱工業生産の類似の減速が見られ、その後の四半期で主要株価指数が7%下落した。こうした歴史的な前例は、現時点で慎重かつディフェンシブなデリバティブ戦略が妥当であるとの当社見解を補強する。
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