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米ドル、米CPI発表を前に上昇維持 市場はコアインフレとFRBの金利見通しを見極め

by VT Markets
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Jun 10, 2026

ドル指数(DXY)は、米5月CPIの発表を控えて先週の上昇分を維持している。市場の焦点は、コアインフレが12月にかけての米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測をつなぎ留めるかどうかにある。総合CPIは前年比で4.0%を再び上回り、2023年5月以来初めてとなる見通し。一方、コアCPIは前月比0.3%、前年比2.9%への上昇が見込まれ、前回の2.8%から加速するとみられている。コアが前月比0.2%にとどまる「下振れ」が最大のリスクとして意識されており、その場合は短期金利の低下を通じてドルの重しになる可能性がある。

米実質金利の上昇は、昨年の「ドル希薄化(debasement)」を見込んだ取引の巻き戻しを継続させ、金(ゴールド)、ビットコイン、スイスフランに圧力を加えている。注目水準は、金が1オンス=4,100ドル、ビットコインが6万ドルで、より堅調なUSD/CHF(ドル/スイスフラン)もこの動きを表現する手段として意識される。エネルギー価格の上振れリスクがくすぶり、明日のPPIと来週のFOMCへ関心が移るなか、DXYは押し目で下支えされるとの見方が優勢だ。コアが弱い場合は99.50~99.60の試しがあり得る一方、短期的なパスは100.40~100.50方向とみられる。

ドル高とコアインフレ指標の影響

ドルは直近の上昇を維持しつつ、今週金曜日に公表予定の5月CPIを市場は注視している。当社は、コアインフレが強めの結果となれば、年末までのFRB追加利上げの織り込みが維持されるとみる。米実質金利の上昇基調が続くことで、ドル安局面で奏功した取引――金や暗号資産(クリプト)のロングなど――には引き続き逆風となっている。

最大の注目材料は2026年5月のCPI報告で、コアインフレは前月比0.4%上昇を予想する。これにより前年比は粘着的な2.7%へ押し上げられ、FRB目標を大きく上回った状態が続くことで、「高金利の長期化(higher for longer)」の物語が補強される見通しだ。先週の強い雇用統計(非農業部門雇用者数が21.5万人増)も、FRBに利下げを検討する材料を与えていない。

ドル高局面における戦略と注目水準

こうした見通しを踏まえ、当社はDXY上昇の恩恵を受けるオプション戦略に注目している。ドル指数の短期コールオプションを買うことで、想定される上方向への動きに直接エクスポージャーを持てる。CPI発表を控えたインプライド・ボラティリティの上昇は、特に結果が想定通り強めに出た場合、オプション価値を押し上げ得る。

また、他資産の重要なサポート水準が割れてくるかも監視し、ドル高の確認材料としたい。金が2,500ドル近辺に接近する局面ではプット買いの機会、ビットコインが9.5万ドルを再テストする局面でも同様にプット需要が意識される。USD/CHFの上昇は、引き続き「ドル高」見通しを表現する主要な手段である。

最大のリスクは、コアCPIが想定以上に弱く、例えば前月比0.2%にとどまるケースで、その場合DXYは104.80近辺のテストに向けて下押しする可能性がある。ただし、インフレの粘着性とデータ依存のFRB運営を踏まえると、下押しは買い場になりやすいと当社は判断する。今後数週間の焦点は、DXYが106.50方向へトレンドしていくかどうかにある。

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