イタリアの営業日調整後の鉱工業生産は4月に伸びが鈍化し、前年比は前回の1.5%から1.3%へ低下した。第2四半期のスタートにあたり、工場活動の勢いが小幅に失われつつあることを示唆している。
今回の発表は営業日調整(W.D.A=Working-Day Adjusted)ベースで、期間間の生産を比較する際のカレンダー要因を取り除いた指標を指す。このベースでは、4月の鉱工業生産の前年比はプラス圏を維持したものの、前回から伸びは減速した。
鉱工業の勢い鈍化とマクロへの含意
イタリアの鉱工業生産の伸びが4月に前年比1.3%へ減速したことは、景気モメンタムの低下を示す。下げ幅は小さいものの、冷え込みの流れを確認する内容であり、第2四半期の成長見通しに影響し得る。市場参加者は、イタリアのGDP見通しが下方修正される可能性に警戒すべきだ。
この見方は、直近のS&Pグローバル・イタリア製造業PMIが5月に49.8へ低下し、同セクターの縮小を示したことで補強される。ユーロ圏のインフレ率がなお2.5%前後で粘着的な中、欧州中央銀行(ECB)は利下げによる下支えに慎重となる可能性がある。したがって、相場下落リスクに備えるヘッジとして、FTSE MIB指数のプットオプション購入を検討している。
経済・金融の逆風下での市場戦略
景気の弱さは財政の重荷となり得るため、イタリア国債市場も注視している。イタリア10年BTPとドイツ国債(ブント)利回り格差(スプレッド)は、年初の低水準120bpからすでに145bpへ拡大している。スプレッドの一段の拡大で利益を得る先物取引は、有効な戦略となり得る。
今後の経済指標でサプライズが生じる可能性を踏まえ、欧州市場のボラティリティ上昇を見込む。VSTOXX指数のコールオプション購入は、想定される相場の荒れを直接収益機会に変える手段となる。また、こうした局所的な弱さは単一通貨にも重しとなり得るため、EUR/USD先物を通じたユーロのショートは魅力的な選択肢と考える。
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