週明けから米労働省(BLS)が発表する5月の米消費者物価指数(CPI)と、カナダ銀行(BoC)の政策決定を控え、市場は週央水曜早朝も総じて様子見姿勢が強かった。ドル指数は月曜・火曜に小幅安となり、欧州時間は100.00を下回って推移する一方、米株価指数先物は0.15%~0.5%下落。米CPI(前年比)の市場予想は、4月の3.8%から5月は4.2%への上昇となっている。
地政学リスクは高止まりしている。米中央軍(CENTCOM)はイランに対する報復攻撃を実施したと発表し、Axiosは標的がイラン南部だったと報じた。イランの革命防衛隊(IRGC)はクウェートのアリ・アル・サレム空軍基地を無人機で攻撃したとし、追加対応も警告。ロイターは米当局者の話として、米国が約20カ所を攻撃し、イランのミサイル・無人機のほぼ全てが迎撃されたと伝えた。アジアでは、中国のCPIは前年比1.2%で横ばい、PPIは2.8%から3.9%へ上振れし、豪ドル/米ドル(AUD/USD)は0.7020近辺で推移。米ドル/カナダドル(USD/CAD)は1.3970近辺の6カ月高値後に反落し、BoCの政策金利見通しが2.25%付近に集まるなか1.3950を下回って取引された。金は火曜に1%超下落して約4,200ドル、ユーロ/米ドル(EUR/USD)はECBを控え1.1550近辺、英ポンド/米ドル(GBP/USD)は1.3400方向へ上昇、米ドル/円(USD/JPY)は日本のPPIが5.3%・5.5%を上回る6.3%へ加速するなか160.00を上回って推移した。
インフレ、中央銀行政策、ポジショニング
投資家が本日の重要な米インフレ指標を待つなか、市場は持ち高調整の局面にある。米ドル指数は104.50近辺で安定している一方、米株価指数先物は小幅安の寄り付きを示唆しており、発表前の警戒感がにじむ。こうした慎重姿勢は、反応が限定的とみるトレーダーにとって、インプライド・ボラティリティの売りが妙味となる可能性を示唆する。
注目は5月CPIで、エコノミスト予想は前年比で概ね2.5%の上昇。予想を上回れば、FRBの引き締め局面が終了したとの見方に疑義が生じ、金利ボラティリティの急上昇を誘発し得る。当社は、このリスクへの備えとして、担保付き翌日物調達金利(SOFR)先物オプションの活用を推奨する。
この後、BoCは政策金利を3.50%で据え置く公算が大きい。USD/CADの鍵は、米連邦準備制度理事会(FRB)と比べた際のトーンの差であり、政策スタンスの乖離は通貨ペアの主要ドライバーである。当社は、中央銀行が同様に「据え置き」の様相を呈するなか、レンジ内推移で収益機会が得られるオプション戦略に好機があるとみる。
地政学リスク、コモディティ、グローバル為替の動き
中東の地政学的緊張は、市場心理とエネルギー価格に対して低位ながら下支え要因として作用し続けている。Cboeボラティリティ指数(VIX)は安値圏から切り上がり、足元では17近辺で推移しており、投資家がポートフォリオ保護を増やしていることを示す。地域情勢の悪化に最も敏感な原油および防衛関連株のデリバティブ動向を注視している。
金は1オンス2,450ドル近辺で底堅く、地政学リスクに加え、世界的インフレの道筋に対する不確実性が支えとなっている。2022~2024年のインフレ局面に関する過去データでは、中央銀行政策の不確実性が高まる局面で投資家が金へ資金を向ける傾向が示されている。当社は、インフレと紛争の双方に対するヘッジとして、金コール・オプションへの関心が継続すると見込む。
他方、EUR/USDは明日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控え、1.0900近辺で落ち着いた値動きとなっている。日本の企業物価が粘着的なインフレ圧力を示すなか、市場は日本銀行(BOJ)の政策変更の兆候にも目を凝らしている。当社は、158.00をわずかに下回る水準で推移しているUSD/JPYについて、短期オプションを用いて想定されるボラティリティに備える方針だ。
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