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ECB利上げ観測と日銀政策修正への思惑が強まり、ユーロ/円は数年ぶり高値圏で推移

by VT Markets
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Jun 10, 2026

EUR/JPYは3日続伸し、週明け水曜の欧州時間序盤は185.30近辺で推移した。ユーロは、木曜の6月理事会で欧州中央銀行(ECB)が金融政策を引き締めるとの見方に支えられた。市場はECBの主要政策金利について25bp(0.25%)の利上げを織り込んでいる。ECBのマンデートは物価安定で、インフレ率を概ね2%に維持することを目標としており、金利政策は年8回の理事会で政策委員会(Governing Council)が決定する。

一方、円は日本の企業物価指数(PPI)が加速した後も出遅れた。5月のPPIは前年比6.3%上昇と、4月の上方改定後5.3%を上回り、市場予想(5.5%)も超過。卸売物価の伸びとしては3年ぶりの高水準となった。これにより日銀のよりタカ派的な姿勢への期待が強まり、市場は来週会合での利上げを見込んでいる。別途、ECBは量的緩和(QE)を2009~11年、2015年、そして新型コロナ禍で実施してきた一方、量的引き締め(QT)は追加の国債買い入れ停止と、償還元本の再投資終了によってQEを反転させる。

ECB Forward Guidance In Focus Amid Rate Hike Expectations

EUR/JPYが185.30近辺の数年ぶり高値圏で推移するなか、目先の最大のリスクは明日のECB理事会に集中しているとみる。25bpの利上げはほぼ完全に織り込まれており、ユーロの反応は利上げそのものよりもフォワードガイダンスに左右されやすい。ECBが引き締めサイクルの終盤に近づいていることを示唆するシグナルが出るかどうかを注視したい。

最新のユーロスタット統計ではコアインフレが2.9%と粘着的で、ECBのタカ派姿勢を正当化する内容だが、これはすでに周知の材料でもある。このため、金利決定よりも記者会見を中心にボラティリティの高まりを想定してポジションを構築している。ラガルド総裁が今後の利上げ休止を示唆すれば、足元で強気に傾いた市場ポジションを背景に、ユーロは調整(反落)を余儀なくされる可能性がある。

BoJ Policy Pivot and EUR/JPY Volatility Trading Strategies

ただし、より大きな機会は来週の日銀会合にある。予想を上回る6.3%の企業物価上昇は、日銀に超緩和的政策の修正(ピボット)圧力を強める。歴史的に日銀は極めて慎重であり、市場が年内複数回の利上げを強気に織り込む状況は、大きな不安定要因となり得る。

こうした綱引きを踏まえると、単純な方向性(上げ/下げ)を当てにいく取引はリスクが高い。むしろボラティリティの買いが有効で、日銀の決定にかかわらず大きな値動きが起きる公算が大きい。実際、1週間物のEUR/JPYオプションのインプライド・ボラティリティは12%超へ上昇しており、市場が強い動意を警戒していることを示す。

この局面は典型的なキャリートレードの構図でもある。低金利の円で調達し、高金利のユーロを買うことで収益を得てきた投資家は多い。日銀が想定以上にタカ派へ転じれば、これらポジションの巻き戻しが加速し、円急騰とEUR/JPY急落を招き得る。過去の金融サイクルでも見られたような反転局面では、数週間分の上昇が数日で失われることがある。

日銀の政策転換が近いとみるトレーダーには、EUR/JPYのアウト・オブ・ザ・マネーのプットオプション購入を提案する。この戦略は、限定的なコストで大きな下方向の動きに備えられる。円高へのレバレッジを効かせた賭けとなる一方、最大損失はオプション・プレミアムに限定される。

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