ポンドの上昇は短命に終わった。火曜日にGBP/USDは1.3350をわずかに下回る水準から1.3400をやや上回るところまで上昇したが、200日EMAに接触した後、その水準を再び割り込んだ。英小売業協会(BRC)によれば、5月の既存店ベースの小売売上高は前年比3.4%増と、市場予想の0.6%を上回り、4月の3.4%減から反転した。それでも通貨ペアの上昇は定着しなかった。英中銀(BoE)の政策金利は3.75%で、4月30日の会合では8対1(1名がタカ派的反対票)の採決となったが、市場は6月18日の会合で据え置きを織り込んでいる。
テクニカル面では、上値抵抗は1.3400付近の200日EMAにあり、6月上旬に両指標を下抜けた後、50日EMAは1.3450近辺に位置する。下値支持は1.3350付近、その後は1.3300が意識される一方、日足ストキャスティクスRSIは中立圏。次の材料は水曜日12:30(GMT)の米CPIで、予想は前月比0.5%、前年比4.2%(前回3.8%)、コアは前年比2.9%。続いて金曜日06:00(GMT)の英4月GDPは、弱い製造業生産とともに前月比-0.1%が見込まれている。CME FedWatchでは、2026年の利下げは織り込まれず、利上げ確率がじり高となっている。
テクニカルでの反落とマクロの逆風
ポンドの上昇は1.3400近辺の200日移動平均で正確に失速しており、当社の弱気見通しを裏付ける。こうした反発失敗は、GBP/USDの主導権が依然として売り手側にあることを示唆する。1.3400近辺への戻りは、ショート構築の好機として扱う。
BoEはスタグフレーションに縛られており、これがポンドの上値を抑えるとみる。英国経済の脆弱さは明白で、英国家統計局(ONS)は最近、昨年リセッション入りした後の1-3月期成長率がわずか0.6%にとどまったと報告した。この弱さは、エネルギーショックがインフレを押し上げる局面でなおさら、BoEが通貨防衛を優先する理由を乏しくする。
米ドルは水曜日のインフレ指標を前に主導権を握っている。強いCPIが出れば、「FRBは2026年に利下げしない」との市場見方が一段と強まり、従来の想定からの大きなシフトを確証する。WTI原油が1バレル80ドル近辺で推移していることも、インフレ圧力が根強くFRBが様子見を強いられるとの見立てを支えている。
売買戦略とポジショニング
当社の戦略は、GBP/USDが1.3400のレジスタンスを下回る限り、戻り局面を売り場として活用することだ。抵抗の少ない方向は下とみており、特に米インフレが強く、金曜日の英GDPがマイナス成長を確認する場合、6月上旬のサポートである1.3300付近をターゲットとする。テクニカル環境と中銀スタンスの乖離はいずれも下方向を示している。
デリバティブでは、今後の重要指標に備え、権利行使価格1.3300近辺のGBP/USDプットオプションの買いを検討している。想定が外れた場合のリスクを限定しつつ、予想通り下抜けした際のリターンを狙えるためだ。代替案として、1.3450の上値抵抗を上回る水準にショート行使価格を置いたコール・クレジット・スプレッドの売りも、弱気見通しを表現する手段となる。
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