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中国人民銀行、金購入を継続 価格調整で上昇後の下値支持を試す状況に

by VT Markets
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Jun 10, 2026

中国人民銀行(中央銀行)が4月も金購入を継続し、各国当局による需要の根強さを示した。世界金協会(WGC)のデータによると、人民銀行は同月に8トンを購入。2024年12月以来の大幅な積み増しとなり、購入は18カ月連続となった。中国の公式保有量は2,322トンに増加し、外貨準備全体の約9%を占める。4月の中央銀行による購入量では、人民銀行はポーランド、ウズベキスタンに次ぐ3番目の規模だった。

WGCのデータでは、世界の中央銀行が3月の純売り越しから4月は純買い越しに転じたことも示された。3月はイラン戦争による直近の経済的影響を受け、一部の新興国当局が自国通貨防衛のために金を売却した。金価格は2025年にほぼ倍増し、1月には1トロイオンス当たり約5,600ドルの過去最高値を付けた後、約23%下落して足元は4,300ドル前後。今回の下落局面で、金は2023年10月以来初めて200日単純移動平均線を下回った。市場が米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを織り込むきっかけとなった、予想を上回る5月の米雇用統計が背景にある。

短期の下押し圧力とトレーディング戦略

足元の金価格の4,300ドル近辺への下落は、予想外に強い米雇用統計の影響が直接的な要因とみる。最新の非農業部門雇用者数(NFP)では、5月の雇用者数が27.2万人増となり、市場はFRBの追加利上げを見込まざるを得なくなった。これによりドル高と債券利回り上昇が進み、利息を生まない金の短期保有の妙味は薄れる。

価格が200日移動平均線を下回ったことで、テクニカル面は弱含みと映り、目先は一段安の可能性がある。今後数週間は、下落モメンタムやボラティリティから収益機会を得る戦略を検討すべきだろう。例えば、プットオプションを購入し、心理的節目である4,000ドルに向けた追加下落を狙う手法が考えられる。

中央銀行需要と長期の下支え

もっとも、こうした短期見通しは中央銀行買いという強力な長期下支えと併せて評価する必要がある。人民銀行のような機関による継続的な購入は、市場に重要な下値の「床」を提供する。この潮流は新しいものではなく、公式セクターの金購入は2022年と2023年にいずれも1,000トンを超え、金相場の強い追い風となった。

人民銀行の18カ月連続の買い増しは、戦略的な積み上げを示す強いシグナルであり、現実世界では2024年5月に終了した同様の18カ月連続購入を想起させる。世界最大級のプレーヤーの一角からの一貫した需要は、大きめの下落局面が主権国家にとって買い場と受け止められやすいことを示唆する。従って、単純な弱気ポジション一辺倒はリスクが高い。

FRB政策による短期的なノイズを超えて取引する投資家にとっては、今回の調整局面は中長期目線のポジション構築の機会になり得る。アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のプットを売り、プレミアムを得つつ、買いたい水準をより低い価格に設定するのも一案だ。この戦略は、金価格が横ばいまたは上昇した場合に利益となり、中央銀行による持続的な需要を追い風にできる。

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