英ポンドは火曜日に0.31%上昇した一方、米インフレ指標の発表を控え、また中東情勢の緊張が続くなかでリスク選好が後退し、米ドルは前半の下げを縮小した。GBP/USDは一時およそ1.3330まで下押しした後、1.3384近辺で推移。米ドル指数(DXY)は99.93とほぼ横ばいで、ポンドの上値を抑えた。
市場の焦点は水曜日に発表される米労働省労働統計局(BLS)の統計。5月CPIは前年比4.2%(前回3.8%)と見込まれ、コアCPIも2.8%から2.9%へ小幅に上昇すると予想されている。インフレ率がFRB目標の2%近辺のほぼ2倍で推移するなか、マネーマーケットでは年末にかけて合計23bpの利上げが織り込まれている。米指標では、ADP雇用者数の4週平均が3.575万人から2.9万人へ減速した一方、非農業部門雇用者数(NFP)は雇用が17.2万人増となった。
英国では、タカ派的な金融政策見通しが通貨を下支えしており、Prime Terminalのデータでは英中銀(BoE)の少なくとも45bpの引き締めが織り込まれている。テクニカル面では、GBP/USDは1.3379近辺で、1.3459付近の単純移動平均線(SMA)クラスターおよび1.3404を下回って推移。RSI(14)は44近辺。上値抵抗は1.3404、次いで1.3459が意識され、追加の目安として1.3575、1.3869が挙げられる。一方、下値では1.3159が焦点。英国では週後半に4月GDPの発表を控える。
米インフレと労働市場が通貨に与える影響
英ポンドは1.2750近辺で取引され、底堅い米ドルに押されている。市場は今週の米インフレ主要指標を注視しており、FRBの金融政策の道筋に大きな影響を与える見通しだ。短期的な為替変動の主要ドライバーは当面、このデータとなる。
注目イベントは米消費者物価指数(CPI)。直近は前年比3.3%で、インフレはFRB目標の2%をなお上回る。これを受け、利下げ期待は後退し、年内の利下げは「2回分未満」しか織り込まれていない。
こうした見通しを補強しているのが予想以上に強い労働市場であり、米中央銀行がハト派へ転じることを難しくしている。最新のNFPでは雇用者数が27.2万人増と力強く、基調的な景気の底堅さを示唆する。これにより、FRBが直ちに、あるいは大幅な利下げを正当化するハードルは上がる。
英中銀の政策見通しと取引戦略
一方、英ポンドは、英中銀がより早期に利下げへ動くとの観測から上値が重い。英国のインフレ率は2.3%まで低下し、BoE目標に近づいたことで、市場は年内に少なくとも25bpの利下げ2回分を織り込んでいる。中央銀行間の政策方向の乖離(ダイバージェンス)が、GBP/USDの大きな上昇を抑える要因となっている。
テクニカル観点では、GBP/USDは重要なレジスタンスである1.2800を下回り、脆弱な位置にある。これは、戻り局面での売り(戻り売り)が短期戦略として有効となり得ることを示唆する。米経済指標が相対的に強い限り、より大局的なトレンドは米ドル優位に傾く。
デリバティブ取引では、この環境は通貨ペアに弱気バイアスを示す。米インフレが想定以上に強い結果となれば下落リスクが高まるため、権利行使価格1.2700未満のプットオプション購入は、下振れ局面に備えるうえで有効な手段となり得る。この戦略はリスクを限定しつつ、下方向のモメンタム拡大からの収益機会を狙える。
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