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米ドル/カナダドル、2カ月ぶり高値圏 カナダ中銀決定会合と米CPI控え、地政学リスクに注目

by VT Markets
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Jun 9, 2026

USD/CADは火曜日、4日続伸の後に上昇が一服し、1.3950近辺で推移した。月曜日に付けた約2カ月ぶり高値1.3961からはやや反落しており、カナダ銀行(BoC)決定を控えて米ドルが一部上げ幅を吐き出した。イランとイスラエルがドナルド・トランプ米大統領の呼びかけを受け、相互攻撃を停止することで合意したとされ、リスク選好が改善。ドルの安全資産需要が後退した。ただし、イスラエル軍が攻撃の可能性を前にティルス(Tyre)周辺の一部地域に即時避難命令を出したとの報道や、ベンヤミン・ネタニヤフ首相がイランおよびヒズボラとの衝突について「まだ終わっていない」と述べたことから、警戒感はなお残った。

米国では、市場は引き続きFRB(米連邦準備制度理事会)の見通しを織り込みつつあり、強い労働指標がインフレ懸念を再燃させ、追加引き締め観測を押し上げた。CMEのFedWatchでは12月の0.25%利上げ確率が43%と、1カ月前の14%から上昇。水曜日のCPI、木曜日のPPIに注目が集まる。カナダドルは、原油価格の軟化を背景に上値が重い。経済見通しは割れており、ラボバンクはGDPが2四半期連続で縮小した点を指摘する一方、RBCは人口増加率の例外的な落ち込みによりGDPが弱さを過大に示していると主張する。水曜日のBoC会合について、市場は政策金利が2.25%で据え置かれるとの見方が大勢で、ラボバンクも年末まで維持されるとみている。

中央銀行決定とインフレ指標に注目

USD/CADが2カ月ぶり高値1.3961近辺で足踏みするなか、今回の押し戻しは主要イベントを前にしたポジション調整とみる。次の大きな材料は水曜日のカナダ銀行決定であり、当社は政策金利が2.25%で据え置かれると予想する。市場を動かす核心は中銀声明のトーンと、その後に控える米インフレ指標となる公算が大きい。

最大の焦点は、FRBの利下げ・利上げ経路を左右する米インフレ指標にある。直近の非農業部門雇用者数(NFP)が29万5,000人増とサプライズとなった後だけに、CPIが強ければ、現在43%の12月利上げ確率が60%超へ押し上がる余地がある。CPI発表を挟んで米国債とドル指数のボラティリティ上昇を見込み、警戒を強めている。

地政学リスクと市場変動のなかでの戦術的ポジショニング

カナダドルについては、BoCの据え置き自体よりもフォワードガイダンスを重視する。WTI原油が直近で1バレル=75ドルを下回った状況では、中銀がハト派寄りの表現を用いればルーニー(カナダドル)が大きく下落しかねない。これは、原油高が続き成長鈍化にもかかわらずBoCがよりタカ派的にならざるを得なかった2022年終盤とは対照的だ。

イランとイスラエルの脆弱な停戦は、インプライド・ボラティリティが割安な可能性を示唆する。今週VIX指数は14を割り込んだが、未解決の地政学的対立が続く局面でこの水準が長続きしないことは歴史的に多い。このため、突発的な再燃に備えるポートフォリオ・ヘッジとして、低コストのアウト・オブ・ザ・マネーVIXコールを購入している。

相反するシグナルが混在するため、USD/CADは現物の方向性ポジションではなくオプションで見通しを表現する。米指標が上振れし、BoCが慎重姿勢を維持した場合の上昇余地を取り込むため、権利行使価格1.4050近辺の7月限コールの買いを選好する。支払プレミアムにリスクが限定され、中銀イベントを通過して見通しの確度が高まるまでの戦略として妥当と判断する。

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