英ポンドは火曜日、中東情勢の緊張緩和を受けてリスク資産が持ち直したことで対円で上昇した。一方、ロイター通信が「日銀は国債買い入れ縮小(テーパリング)の一時停止を検討している」と報じたことから円は弱含んだ。GBP/JPYは214.72近辺で推移し、月曜日に付けた約213.00の3週間ぶり安値から反発した。報道によれば、日銀は来年度以降も月2.1兆円(約130億ドル)の国債買い入れを維持する可能性があり、量的引き締め(QT)の下で計画していた買い入れ減額を事実上停止することになる。
この報道を受けて日本の10年国債利回りは5bp低下して2.66%となり、円には一段の下押し圧力がかかった。市場は来週の日銀会合で25bpの利上げを完全に織り込んでいるものの、原油高が続き、輸入依存度の高い日本にとって逆風であることから、円相場の支えは限定的だ。原油高は世界的なインフレリスクも押し上げ、他の主要中銀が利上げに動いて日本との金利差が拡大する可能性を高める。また、USD/JPYが再び160.00を上回って推移していることは、当局による為替介入の思惑をくすぶらせている。
金利差とマクロ面の追い風
英日間の金融政策ギャップが拡大していることを踏まえると、GBP/JPYは今後数週間にわたり上昇基調が続くとみられる。世界的にリスク選好が改善しているようで、足元で215.00近辺まで戻した同通貨ペアは、上方向への抵抗が相対的に小さい展開が想定される。英国の2026年5月のインフレ指標は目標をやや上回る2.5%となり、英中銀(BoE)のタカ派姿勢を支えている。
日本円は、日銀が国債買い入れ減額を先送りする可能性が取り沙汰される中で、魅力度が低下している。これにより日本の10年国債利回りは0.95%近辺まで低下し、4.30%で底堅い英国10年国債(ギルト)との利回り格差が拡大した。大きな金利差は、円を保有するよりもポンドを保有する方が相対的に有利であることを示している。
ブレント原油が1バレル=85ドルを上回って推移するなど原油価格の上昇は、輸入比率の高い日本経済にとってさらに状況を複雑化させる。これは円に下押し圧力を与える一方、各国のインフレリスクを高め、他の中央銀行に引き締め姿勢の継続を促す可能性がある。こうした力学は、対円でのポンド高を下支えすると見込まれる。
GBP/JPYの戦略とリスク管理
デリバティブ取引の観点では、この環境はGBP/JPYのコールオプション買いが妥当な戦略となる。具体的には、2026年7月上旬に満期を迎える行使価格217.00近辺のオプションを想定する。これにより、上昇余地を取り込みつつ、市場が急変した場合でも損失上限を明確にできる。
最大のリスクは日本当局による介入で、とりわけUSD/JPYが161.00水準を試す局面では警戒が必要だ。2024年春の急激な円高局面が示したように、当局は必要と判断すれば強力に行動する。ロング・コールの「限定リスク」という特性は、こうした突発的で予測困難なイベントに対する防波堤となる。
すでに円安の恩恵を受けるポジションを保有している投資家にとっては、反転リスクへのヘッジも検討に値する。保険として、割安なアウト・オブ・ザ・マネーのGBP/JPYプットオプションを一部購入することが考えられる。これにより、財務省によるサプライズ介入で利益が削られるリスクを抑えられる。
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