USD/CADは、カナダドルが直近高値圏にとどまる中、年初来レンジ上限近辺でほぼ横ばいとなった。スコシアバンクは、米ドルのじり安とリスク選好の改善を背景に、少なくとも小幅なカナダドル反発に傾きつつあるとしつつも、最大のイベントリスクは明日予定されるカナダ銀行(BoC)の政策決定だと指摘した。
同行は、スポットがフェアバリューを「2ビッグ・フィギュア」程度上回って推移していると見積もり、フェアバリューは1.3758とした。また、足元のレンジ高値再トライ局面でも、割安感を狙ったカナダドル買いは促されていないと述べた。3月下旬の高値1.3967を挙げ、年初来で意識されてきた上値の天井を補強するには、天井形成や反転を示すより明確な証拠がなお必要だとした。目先の下値メド(小さなサポート)は1.3925、次の水準は1.3870とし、1.39台は中期的にカナダドル買いにとって妙味がある水準だと説明した。
政策の方向性の違いと市場ドライバー
カナダドルは対米ドルで年初来レンジ上限近辺でもみ合い、ほぼ変わらずに推移している。世界的なリスク選好は改善基調にあり、少なくとも小幅反発に向けた環境は整いつつあるように見える。スポットは当社フェアバリュー(1.3758)を大きく上回っており、通貨ペアが行き過ぎていることを示唆する。
BoCは先週、インフレ沈静化を背景に利下げ局面を開始し、政策金利を25bp引き下げて4.75%とした。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は夏場にかけて金利を据え置く見通しで、こうした政策の方向性の違いが米ドル高を後押ししてきた。この乖離はすでに市場に織り込まれつつあり、同ペアの一段の上値余地を限定する可能性がある。
カナダの2026年5月CPIはインフレ率が2.7%へと低下し、BoCの行動を正当化する内容となった。一方、米国の最新の非農業部門雇用者数(NFP)は27.2万人増と底堅く、FRBが忍耐強く様子見を続ける根拠となっている。こうした景気・物価指標の分岐は足元の高い為替水準を支える一方、米指標が軟化すれば調整の地ならしにもなり得る。
取引戦略とテクニカル水準
当社は引き続き、1.3900超の水準は中期的にカナダドルを買いたい投資家にとって良好なエントリー水準を提供すると考える。デリバティブ投資家にとっては、権利行使価格が1.3975を上回るアウト・オブ・ザ・マネーのUSD/CADコールを売る戦略が選択肢となり得る。レンジ上限が今後数週間維持されるとの見立てを活かしつつ、プレミアム獲得を狙うアプローチだ。
年初来高値(おおむね1.3970)をほぼピンポイントで再テストした局面では上値抵抗が確認され、短期の価格シグナルは米ドルに対して控えめに弱気寄りとなっている。過去には2017年の同様の政策乖離局面で、当初のオーバーシュートの後に大きな調整が起きた。天井確認にはなお強い証拠が必要だが、足元の状況は過去の反転局面と似通い始めている。
トレーダーは、まず1.3925の小さなサポート割れを、上値一服(ロールオーバー)の初期シグナルとして注視すべきだ。この水準を下回れば、より重要なサポートである1.3870方向への下落余地が広がり得る。主なリスクは、次回会合でFRBが予想外にタカ派的な声明を示すことだ。
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