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米CPI発表を控え、米国債利回りの上昇が重しとなり金は約2カ月半ぶり安値圏で推移

by VT Markets
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Jun 9, 2026

金(XAU/USD)は火曜日、ほぼ変わらず。上昇が4,360ドル手前で失速した後、2カ月半ぶりの安値圏となる4,268ドル近辺で推移した。中東での戦闘休止を受けてリスク選好がやや改善したものの、米ドルが軟化する一方で米国債利回りが高止まりし、利回りを生まない金には重しとなった。イスラエルとイランは緊張をはらむ停戦状態を維持する一方、イスラエルによるティルス(Tyre)への攻撃で8人が死亡。ドナルド・トランプ氏は、数日以内にテヘランと合意に達することに自信を示した。市場の注目は水曜日の米CPI(消費者物価指数)発表に移っており、先週の米雇用統計(非農業部門雇用者数)がFRBの引き締め姿勢の長期化観測を強めたことも意識されている。

テクニカル面では、XAU/USDは4,337ドル近辺で気配され、先週金曜日に200日移動平均線(SMA)を下抜けた後、下向きバイアスを維持している。値動きは下降チャネル下限付近にあり、上値抵抗は4,370ドル近辺、下値支持は4,268ドル、次いで4,220ドル近辺、年初来安値は4,100ドル付近が意識される。モメンタム指標は弱く、RSIは30台半ば、MACDは明確にマイナス圏。反発には4,350~4,365ドルおよび200日SMA(4,445ドル近辺)の上抜けが必要で、達成されれば4,540ドルが視野に入る。

市場ドライバーとテクニカル水準

2026年6月第2週に入る中、金は2,320ドルの下で底堅く推移している。価格の主因は米国債利回りの高止まりで、10年債は4.4%近辺で推移しており、利息を生まない金の相対的な魅力を低下させている。この構図が当面、上値余地を抑え込んでいる。

こうした圧力は、FRB政策を巡る市場の見方と直結している。先週金曜日の米雇用統計は、5月の雇用者数増が27.2万人と予想以上に強く、早期利下げ期待を後退させた。金融緩和の先送り観測は、米ドルと米国債利回りの底堅さにつながり、短期的に金の逆風となりやすい。

トレード面では重要なテクニカル水準を注視している。反発局面では、足元で2,345ドル近辺に位置する50日移動平均線が強い上値抵抗になりやすい。下方向では、直近で形成された2,285ドル近辺の支持が焦点で、ここを割り込むと2,200ドル近辺への下押しが示唆される。

売買戦略と長期的な下支え

デリバティブ取引の観点では、今後数週間は慎重から弱気寄りのスタンス維持が示唆される。2,285ドルの支持線を下回る行使価格のプットオプション購入は、明確にリスクを限定しつつ、さらなる下落に備える手段となる。想定外の材料で相場が急反発した場合でも、損失を抑えられる点が利点だ。

米CPIが今週水曜日に控える中、ボラティリティの大幅な上昇が見込まれる。大きな値動きを想定しつつ方向感に自信が持てない場合、ロング・ストラングル(アウト・オブ・ザ・マネーのコールとプットを同時に買う)戦略が選択肢となり、指標後に上下いずれかへ大きく動けば収益機会が生まれる。

もっとも、各国中銀による買いという強い下支えも見逃せない。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によれば、2024年1~3月期に中銀は純増で290トンを準備資産に積み増し、歴史的な買い越し傾向が続いている。短期の価格形成を主導する要因ではないものの、長期的な「床」として機能し、急激な価格崩落を抑制するとみられる。

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